博士課程修了者の「就職率」は60%台。分野別の進路状況は

文部科学省が公表した「令和3年度学校基本調査(確定値)の公表について」によると、2010年から2021年までの博士課程修了者の就職率は以下のとおりです。

出典:文部科学省「令和3年度学校基本調査(確定値)の公表について」

博士課程修了者の就職率は60%台を長年にわたってキープしています。博士課程修了者の就職率は年々上昇傾向にあり、2021年の博士課程修了者の就職率は68.4%です。

ただし、この調査における「就職者」には正社員だけでなく、非正規雇用も含まれていることに留意する必要があります。

博士課程修了者の就職状況についてより詳しく知るために、文部科学省が公表した「平成30年度学校基本調査(確定値)の公表について」もあわせて見てみましょう。

出典:文部科学省「平成30年度学校基本調査(確定値)の公表について」

上記の表を見ると、正規の職員等に就いた博士課程修了者は「工学、保健、家政」を除き、半数に達していません。

大学院進学において進路が最も懸念されがちな人文科学の修了者のうち22.1%が正規の職員等に。理学や教育など実務に直結しそうな分野でも正規の職員等に就いた方は半分以下です。