株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種の2017年4月28日から5月2日までの株価動向を振り返る。

業種別振り返り-リスクオン姿勢が強まる相場展開となった1週間

今週は、不動産株、電気機器株、ガラス・土石製品株を始め29業種が上昇。

これまで長期金利が低下する中、動意が薄かった不動産株に買いが入り、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)などの大手不動産株が上昇した。

ハイテク株比率の高いナスダック指数が過去最高値を更新し、外国為替市場においても1ドル=112円台の円安・ドル高となったことを背景に、キヤノン(7751)、ソニー(6758)などの電気機器株も値を上げた。

また、ガラス・土石製品株にも買いが入り、一部証券会社が投資判断を引き上げた旭硝子(5201)や、2017年12月期第1四半期の営業利益が前年同期比+52.8%の79.15億円と、市場予想の50.00億円を大きく上回る内容となった日本電気硝子(5214)が上昇している。

一方、空運株、海運株、水産・農林株など4業種が下落した。これらの業種では、個別銘柄の決算内容が嫌気されたものが目立った。

2018年3月期の営業利益が-16.6%の1,420億円と、市場予想の1,770億円を大きく下回る会社予想となったJAL(9201)が下落。2018年3月期の経常利益が前期比-13.5%の220億円と、4期連続の減益見通しとなった商船三井(9104)も売られた。

今後のマーケット見通しの注目点

今週はリスクオン姿勢が強まり、連休の谷間にも関わらず、東証1部の売買代金は10営業日連続の2兆円超えとなった。

ゴールデンウィーク中には、5月5日の米雇用統計の発表など引き続きマーケット参加者の注目を集めるイベントが続く。今後も、外国為替市場の動向を睨みながら、2018年3月期の好業績期待の銘柄を探る展開が続きそうだ。

 

岡野 辰太郎