2. 60歳以降に働く理由「経済上の理由」がダントツに

同調査では、60歳以降の就業者が回答した「働いた理由」のうち、最も多かったのが「経済上の理由」で76.4%と群を抜いて多い結果でした。

次いで「いきがい、社会参加のため」(33.4%)、「時間に余裕があるから」(22.6%)などとなりました。

年齢層別にみると、60~64歳層に比べ65~69歳層では「経済上の理由」の割合が低くなり、「時間に余裕があるから」をはじめ他の理由が多くなっています。

また、男女別には、「健康上の理由」は男性の方が多く、「いきがい、社会参加のため」などは女性の方が多くなりました。

実際のところは、生活費を補うために60歳以降も働くことを選んでいる人がほとんどという結果と言えるでしょう。

2.1. 60代で働く人の割合は過半数に

では、実際どのくらいの人が60歳以降も働いているのでしょうか。同調査から、2014年と2019年との比較データがありましたので確認していきましょう。

出典 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の「60代の雇用・生活調査」

60代の人々の現在(2019年6月1日)の就業(仕事)の有無をみると、「仕事をした」が59.0%で、過半数の人が就業していました。

年齢層別には60~64歳層が70.2%であるのに対して65~69歳層は50.1%と20ポイント程度低くなっていることがわかりました。

男女別には男性が69.1%、女性が49.3%で20ポイント程度男性の方が高くなっています。

2014年調査との比較では、全体的に就業割合は上昇しており、年齢層別では60~64歳層が8ポイント程度上昇し、男女別では男女ともに4ポイント程度上昇していることがわかりました。

時代とともに、働くことを選ぶ人が増えてきていることがわかります。