定年退職後の支出の変化
(公財)生命保険文化センター「セカンドライフの生活費は現役時代とどう違う?」を参考に、定年退職後の支出の変化について見ていきましょう。
まずは退職によって発生する支出の例を紹介します。
退職によって発生する支出の例
- 近所づきあいの交際費
- 趣味や生きがいのための費用
- 妻の国民年金保険料(妻が60歳になるまで)
- 国民健康保険料※
定年後は趣味にお金をかけたり、お孫さんのための支出が増えたりするケースが考えられます。また保険料負担だけでなく、人によっては病気やケガの医療費が発生する可能性も。
退職と関係なく発生し続ける支出の例
- 食費や光熱・水道代など生活費
- 家賃
- 住居費(固定資産税、リフォーム費用など)
- 生命保険や損害保険の保険料
- 介護保険料
退職によって不要となる支出の例
- 住宅ローン(完済する場合)
- 会社員としての交際費・食費
- スーツ、ワイシャツ、ネクタイなど
- ビジネス被服代
- 子供の教育・扶養費用(成人・独立の場合)
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 健康保険料※
※健康保険から国民健康保険へ移るほか、定年退職前の健康保険に引き続き加入する、要件を満たせば会社勤めの家族の被扶養者になる選択肢もある。
上記の支出例では、住宅ローンは完済する場合に限り、定年後には不要な支出に該当します。しかし、実際には60歳代で住宅ローンを抱える割合は少なくありません。
すると定年後に発生する支出、および生活費とあわせて、滞りなく住宅ローンを返済するだけの貯蓄や収入がないと、苦しい老後を迎えることとなります。
次項では、60歳を迎えるまでに考えておきたい老後の収入や貯蓄についてお伝えします。