5. 【ご参考】国民年金の受給額はいくらか

公的年金のベースとなる国民年金。自営業者や専業主婦などは国民年金のみの受給となるため、参考までに国民年金の受給者数も1万円レンジで確認しましょう。

5.1 国民年金・受給額別の人数(1万円レンジごと)

出典:厚生労働省年金局「令和2年 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 1万円未満:7万4554人
  • 1万円以上~2万円未満:29万3600人
  • 2万円以上~3万円未満:92万8755人
  • 3万円以上~4万円未満:284万2021人
  • 4万円以上~5万円未満:466万3638人
  • 5万円以上~6万円未満:776万979人
  • 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
  • 7万円以上~:188万2274人

国民年金は一律の保険料を払うため、そこまで個人差がありませんでした。しかし、月に6万円以上~7万円未満が一番多いことを考えると、厚生年金受給者よりも自助努力の必要が高いと言えます。

6. 厚生年金の実情から考えたい老後のこと

国民年金と厚生年金の受給額と、受給権者数を1万円レンジで確認しました。

「月25万円以上」の年金収入はいかに難しいかがわかりますね。

現役時代では月25万円以上の収入を得ていた方も、月25万円以下となる方が圧倒的に多いです。現役時代と同じ生活はできないため、セカンドライフに向けて家計の見直しが必須でしょう。

生活費をダウンサイズするには、固定費を見直す、クーポンやポイ活をはじめる、食費を抑える工夫をするなどが必要です。すぐにできるものではないため、現役時代のうちに少しずつ始めたいものです。

並行して、貯蓄を育てることも必要でしょう。資産運用を取り入れれば資産寿命を延ばすことができるため、資産の切り崩しを緩やかにできます。

長生きリスクに打ち勝つには、「資産が減っていく」という精神不安の軽減が重要です。

最近ではNISA制度もあり、運用をはじめる方も増えました。リスクはありますが、それはリターンがある場合もあるからこそ。預貯金だけでは資産を増やせなくなった現代では、自分のリスク許容度に合った運用を検討するといいでしょう。

今回のデータを元に、改めて老後について考えてはいかがでしょうか。

参考資料

太田 彩子