各地で猛暑が続き、光熱費の増加に頭を悩ます家庭も多いのではないでしょうか。加えて、昨今の食品の値上げです。
家計が苦しくなると、お金について考える機会が増えるものですよね。
いま年金を受給されている高齢者の方は、決められた年金収入で物価高をやりくりします。将来に備えている方は、そんな年金生活の「本当のところ」が気になるのではないでしょうか。
「年金は少ない」という印象を持つ方や、「年金生活者が羨ましい」という印象を持つ方など、年金へのイメージは人それぞれです。
では、今の高齢者で「厚生年金を25万円以上」受給する方はいるのでしょうか。
今回は年金の平均受給額を見ながら、厚生年金「ひと月25万円以上」を受給する人の割合についてご紹介します。
【注目記事】【厚生年金と国民年金】税金や保険料が天引きされると手取りはいくらになるのか
1. 厚生年金と国民年金の平均受給額はいくら?
まずは2021年12月に公表された厚生労働省年金局「令和2年 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、国民年金と厚生年金それぞれの平均受給額を確認しましょう。
1.1 【国民年金】平均年金月額
平均額:5万6252円
- 男性:5万9040円
- 女性:5万4112円
1.2 【厚生年金】平均年金月額
平均額:14万4366円
- 男性:16万4742円
- 女性:10万3808円
※国民年金部分を含む
国民年金の平均は5万円台、厚生年金は14万円台でした。国民年金では男女差があまりありませんが、厚生年金は男性で16万円台、女性で10万円台と差があります。
厚生年金では収入に応じた保険料を納めるため、将来の年金額は個人差が激しいのです。
上記の平均には、国民年金の金額も含まれています。では厚生年金部分のみではいくらなのでしょうか。
14万4366円-5万6252円=8万8040円
厚生年金のみでは、月平均で約9万円ということになります。
2. 厚生年金「月25万円以上」はいるのか
平均では約14万円という厚生年金。個人差があるということですが、月に25万円以上を受給する人はいるのでしょうか。
同じく厚生労働省年金局「令和2年 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金の受給額を見ていきます。
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出典:厚生労働省年金局「令和2年 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
厚生年金を25万円以上受給している人をみるととても少ないですね。しかし、一定数は存在することがわかりました。
男女別の受給者数もみていきましょう。
3. 男性で「厚生年金25万円以上」受給している割合
男性は女性に比べて、厚生年金の平均受給額が高いことがわかっています。25万円以上の人数も、多いことが予想できますね。
3.1 【全国男性】厚生年金の年金月額階級別の老齢年金受給者数(1万円ごと)
- 1万円未満:7万2507人
- 1万円以上~2万円未満:1万2071人
- 2万円以上~3万円未満:5395人
- 3万円以上~4万円未満:1万170人
- 4万円以上~5万円未満:3万714人
- 5万円以上~6万円未満:6万7421人
- 6万円以上~7万円未満:16万3063人
- 7万円以上~8万円未満:24万4810人
- 8万円以上~9万円未満:24万2657人
- 9万円以上~10万円未満:27万3243人
- 10万円以上~11万円未満:35万350人
- 11万円以上~12万円未満:43万8683人
- 12万円以上~13万円未満:51万8659人
- 13万円以上~14万円未満:60万8992人
- 14万円以上~15万円未満:70万4371人
- 15万円以上~16万円未満:79万3583人
- 16万円以上~17万円未満:88万4219人
- 17万円以上~18万円未満:94万8543人
- 18万円以上~19万円未満:94万2288人
- 19万円以上~20万円未満:87万9047人
- 20万円以上~21万円未満:75万7129人
- 21万円以上~22万円未満:59万345人
- 22万円以上~23万円未満:41万4195人
- 23万円以上~24万円未満:28万2665人
- 24万円以上~25万円未満:19万63人
- 25万円以上~26万円未満:12万1426人
- 26万円以上~27万円未満:7万5194人
- 27万円以上~28万円未満:4万4547人
- 28万円以上~29万円未満:2万2741人
- 29万円以上~30万円未満:1万807人
- 30万円以上~:1万6346人
男性の厚生年金受給者は1071万6244人のうち、月平均25万円以上を受給する人は29万1061人でした。
29万1061÷1071万6244人=2.72%
現役時代であれば手取りで月25万円給与が入った方も少なくないと思いますが、年金となると約3%という少なさでした。
4. 女性で「厚生年金25万円以上」受給している割合
同様に、女性についても見ていきましょう。
4.1 【全国女性】厚生年金の年金月額階級別の老齢年金受給者数(1万円ごと)
- 1万円未満:2万8004人
- 1万円以上~2万円未満:6884人
- 2万円以上~3万円未満:6万1267人
- 3万円以上~4万円未満:10万9541人
- 4万円以上~5万円未満:9万4941人
- 5万円以上~6万円未満:10万3206人
- 6万円以上~7万円未満:23万8112人
- 7万円以上~8万円未満:44万9205人
- 8万円以上~9万円未満:69万2135人
- 9万円以上~10万円未満:85万2017人
- 10万円以上~11万円未満:76万8808人
- 11万円以上~12万円未満:57万9740人
- 12万円以上~13万円未満:40万7435人
- 13万円以上~14万円未満:28万8035人
- 14万円以上~15万円未満:20万8976人
- 15万円以上~16万円未満:15万2367人
- 16万円以上~17万円未満:10万9888人
- 17万円以上~18万円未満:7万5929人
- 18万円以上~19万円未満:5万1905人
- 19万円以上~20万円未満:3万7458人
- 20万円以上~21万円未満:2万4850人
- 21万円以上~22万円未満:1万6796人
- 22万円以上~23万円未満:1万976人
- 23万円以上~24万円未満:6934人
- 24万円以上~25万円未満:3951人
- 25万円以上~26万円未満:2188人
- 26万円以上~27万円未満:1098人
- 27万円以上~28万円未満:516人
- 28万円以上~29万円未満:208人
- 29万円以上~30万円未満:144人
- 30万円以上~:375人
女性の厚生年金受給者は538万3889人で、月平均25万円以上を受給しているのは4529人です。
4529人÷538万3889人=0.084%
女性になると、25万円以上の割合は0.084%という少なさでした。
働く女性が増えつつあるため、男女差は埋まることが予想されます。しかし、フルタイムで定年まで働ける人は、やはり全員とは言えません。
さまざまな事情からキャリアダウンしなければならない方、あるいは独立して厚生年金を脱退する方もいるでしょう。男女差は解消されても、個人差は今後も続くと予想されます。
5. 【ご参考】国民年金の受給額はいくらか
公的年金のベースとなる国民年金。自営業者や専業主婦などは国民年金のみの受給となるため、参考までに国民年金の受給者数も1万円レンジで確認しましょう。
5.1 国民年金・受給額別の人数(1万円レンジごと)
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出典:厚生労働省年金局「令和2年 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 1万円未満:7万4554人
- 1万円以上~2万円未満:29万3600人
- 2万円以上~3万円未満:92万8755人
- 3万円以上~4万円未満:284万2021人
- 4万円以上~5万円未満:466万3638人
- 5万円以上~6万円未満:776万979人
- 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
- 7万円以上~:188万2274人
国民年金は一律の保険料を払うため、そこまで個人差がありませんでした。しかし、月に6万円以上~7万円未満が一番多いことを考えると、厚生年金受給者よりも自助努力の必要が高いと言えます。
6. 厚生年金の実情から考えたい老後のこと
国民年金と厚生年金の受給額と、受給権者数を1万円レンジで確認しました。
「月25万円以上」の年金収入はいかに難しいかがわかりますね。
現役時代では月25万円以上の収入を得ていた方も、月25万円以下となる方が圧倒的に多いです。現役時代と同じ生活はできないため、セカンドライフに向けて家計の見直しが必須でしょう。
生活費をダウンサイズするには、固定費を見直す、クーポンやポイ活をはじめる、食費を抑える工夫をするなどが必要です。すぐにできるものではないため、現役時代のうちに少しずつ始めたいものです。
並行して、貯蓄を育てることも必要でしょう。資産運用を取り入れれば資産寿命を延ばすことができるため、資産の切り崩しを緩やかにできます。
長生きリスクに打ち勝つには、「資産が減っていく」という精神不安の軽減が重要です。
最近ではNISA制度もあり、運用をはじめる方も増えました。リスクはありますが、それはリターンがある場合もあるからこそ。預貯金だけでは資産を増やせなくなった現代では、自分のリスク許容度に合った運用を検討するといいでしょう。
今回のデータを元に、改めて老後について考えてはいかがでしょうか。
参考資料
太田 彩子
