千葉県四街道市は2022年8月2日、学校及び保育所給食の食材料費高騰分を独自に支援することを発表しました。

昨今の物価上昇は著しく、特に食材の高騰は家庭のお財布事情に打撃を与えています。

そんな中、給食費も引き上げるかどうかが度々議論にあがります。一方で、給食費の未納問題は過去からの継続した課題であることも事実です。

直近のデータでは、給食費の未納額は4000万円以上にものぼります。

四街道市の取り組みを紹介するとともに、日本の給食における課題等について見ていきましょう。

給食費の未納者割合はどれくらいか

文部科学省の「学校給食費の徴収状況に関する調査の結果について(概要)」によると、2016年度における学校給食費の徴収状況は以下のとおりです。

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出所:文部科学省「平成28年度の「学校給食費の徴収状況」の調査結果について」

出所:文部科学省「平成28年度の「学校給食費の徴収状況」の調査結果について」

学校給食が未納の児童生徒の割合

  • 小学校0.8%[前回0.8%]
  • 中学校:0.9%[前回1.2%]

未納額合計:4153万9000円

中学校では前回の調査である2012年を下回ったものの、小学校では同じく0.8%のままです。

実は学校給食費を公会計処理している学校の割合は39.7%と増加傾向にあり、その半数以上の21.9%で、徴収・管理業務を主に学校が行っています。

保護者の金融機関の口座から引き落としているところが86.5%あるものの、児童生徒が直接、学級担任に手渡しているところは22.2%にのぼります。

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出所:文部科学省「平成28年度の「学校給食費の徴収状況」の調査結果について」

出所:文部科学省「平成28年度の「学校給食費の徴収状況」の調査結果について」

多忙な教師が徴収業務に回ることも多く、効率的に回収できているとはいえない現状です。

また学校側の認識としては、未納の理由として「保護者の経済的な問題」よりも「保護者としての責任感や規範意識」と捉えていることがわかりました。

未納の対策は自治体によって異なりますが、「金融機関の口座引き落としの手続きの徹底」「就学援助制度等からの天引き」などがあります。

また効果があった取り組みとして81.8%が回答したのが、「児童手当からの天引き」です。

中学校卒業までの児童・生徒には、月額5000円~1万5000円の児童手当が支給されています。

これらの児童手当から学校給食費を徴収する自治体も存在しており、実際にその割合は41.4%であることがわかりました。

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出所:文部科学省「平成28年度の「学校給食費の徴収状況」の調査結果について」

出所:文部科学省「平成28年度の「学校給食費の徴収状況」の調査結果について」

ただし、すべての自治体で実施しているわけではありません。こうした強制的な徴収がない場合、未納問題が解決に向かうことは難しいと言えるでしょう。

学校給食費は毎月いくら?

そもそも学校の給食費はいくらぐらいなのでしょうか。地域によって異なるものの、参考までに東京都教育委員会「東京都における学校給食の実態」から東京都の給食費を確認してみましょう。

小学校の給食費の保護者負担(月額)

  • 低学年:4109円
  • 中学年:4421円
  • 高学年:4712円

中学校の給食費の保護者負担(月額)

  • 5264円

地域により差があるものの、3000円台~6000円台(補助金含まず)となっているようです。

義務教育では基本的に教育費がかからないとされますが、こうした費用を支払えない家庭もいるということです。

食材料費高騰分を独自に支援する自治体も

昨今の食材費の高騰は、学校給食の運営にも影響しています。こうした中、独自に支援する自治体も出てきました。

千葉県の四街道市役所は、コロナ禍における原油価格・物価高騰等に伴う四街道市内の小中学校、公立保育所の給食の質の低下を回避するため、食材料費の値上がり分を補てんすることを決めました。

給食費の値上げを回避し、子育て世帯の負担増大を抑制する狙いがあります。

これにより、栄養量の確保にも効果が期待できます。

食材料費の値上がり分を補てんする対象

  • 市内小中学校、市内公立保育所に通う子どもを持つ家庭等

実施内容

  • 市内小中学校:2243万3000円
  • 市内公立保育所:81万4000円

なお、こちらは2022年4月分〜2023年3月分までの実施とされています。

学校給食の課題解決に向けて

コロナ禍における休校などでは、子どもの栄養を心配する声もあがりました。子どもに十分な食事を用意できる家庭が全てではなく、給食に頼り切る家庭がいるのも事実です。

大阪市では、休校中も給食を食べに登校させる方針を打ち出したことが記憶に新しい方も多いでしょう。

子どもにとって給食はとても重要であり、日本の給食は恵まれていると考えられます。給食の重要性は、経済的に苦しい家庭ほど痛感しているのかもしれません。

一方で、安心安全な給食の提供には高い水準が求められます。栄養の管理は言うまでもなく、食中毒やアレルギー対応も加わります。

こうしたレベルの食事を月額約5000円で得られるのは、やはり恵まれた環境とも言えますね。

学校給食法によれば、食材の負担は保護者ですが、その運営にかかる経費は公費です。さらに食材の高騰分を補助する自治体も出てきました。

コストがかかる給食を今後も運営していくには、未納問題の解決が先決なのではないでしょうか。

参考資料

太田 彩子