4. 基礎年金の推移。過去より減っているのか

年金の額は徐々に減っていると不安視されています。日本年金機構によると、2022年度の年金額は以下の通りです。

  • 基礎年金(満額):6万4816円
  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):21万9593円

基礎年金の平均月額がどのように推移してきたのかも見ていきましょう。

出典:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)

  • 2016年:5万5373円
  • 2017年:5万5518円
  • 2018年:5万5708円
  • 2019年:5万5946円
  • 2020年:5万6252円

月の平均額をみると、金額は上がっているようです。

しかし、公表されているデータから後の2年はマイナスに転じることに。背景には少子高齢化の加速や賃金の低下があります。

年金の受給額は、現役世代や賃金に合わせて調整されます。昨今は物価上昇が激しいため、年金額も上がることが望まれます。

しかし現役世代の賃金が上昇しないため、年金額もマイナスになるという苦しい局面にあるのです。

5. 年金に頼らない老後の備え

基礎年金と厚生年金について確認してきました。

政府は基礎年金の目減りに対して対策をおこなう予定ですが、今後の情勢を考えると、個人での自助努力が最も重要になると言えるでしょう。

年金収入が5万円台であれば、たとえ持ち家であっても生活が難しいです。公的年金だけでは生活できないという現実に向き合い、資産を形成する必要があるでしょう。

数々の値上げで家計も苦しいところですが、老後には時間の猶予があります。大きな金額となる老後資金ですから、時間を味方につけて貯蓄すると良いでしょう。

まずはねんきん定期便やねんきんネットなどでご自身の受給予定額を調べて、老後に備える方法を考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

太田 彩子