2022年夏のボーナスは、会社員が大幅アップになった一方で公務員が大幅減となりました。
一方で業績に左右されにくい公務員に対し、うらやましいという声もあがります。
公務員は職業の安定性だけでなく、お金の面でも安定性が強い点が憧れの理由の一つとされています。
では「退職金」の場合、公務員と会社員ではどちらが多いのでしょうか。直近のデータで比べてみましょう。
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1. 「公務員」には2種類ある
ひとくちに公務員といっても、国家公務員と地方公務員にわかれます。
- 国家公務員:省庁職員、自衛官、大使、裁判官、国会議員、検察官など
- 地方公務員:市区町村の役場職員、教員、警察官、消防官、自治体の議員など
私たちが日々の生活で関わるのは地方公務員が多く、省庁職員や自衛官、裁判官などが国家公務員になります。
まずはそれぞれの公務員の退職金を確認しましょう。
2. 【退職金】国家公務員はいくら支給されたか
早速、内閣官房の「退職手当の支給状況(令和2年度退職者)」 より、国家公務員の退職金を見ていきます。
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出典:内閣官房「退職手当の支給状況(令和2年度退職者)」
2.1 常勤職員
- 定年:2142万1000円
- 応募認定(※1):2551万9000円
- 自己都合:299万4000円
- その他(※2):193万5000円
全体の平均支給額:1023万9000円
※1「応募認定」は45歳以上(定年60歳の場合)の職員を対象にした早期退職募集制度のことで、自己都合退職よりも割増された退職金が支給されます
※2「その他」には、任期制自衛官等の任期終了(常勤職員)や死亡等による退職が含まれています。
2.2 行政職俸給(一)適用者(一般行政事務を行う職員)
- 定年:2127万9000円
- 応募認定:2276万円
- 自己都合:384万9000円
- その他:245万4000円
全体の平均支給額:1507万4000円
国家公務員の場合、定年まで勤めることで退職金が2000万円以上を超えるようです。その他、応募認定(早期退職募集)は高くなっていますね。
一方、自己都合など他の事由では低い水準となっています。
定年まで勤め上げることで、退職金は2000万円を目指せそうです。
3. 【退職金】地方公務員はいくら支給されたか
地方公務員の場合、給与の出どころは都道府県や市町村となるため、それぞれで違いがあります。
また教職員や警察など、職種もさまざまです。
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出典:総務省「地方公務員数の状況」
今回は首都圏の都道府県に勤める「一般職員のうち一般行政職」のうち、「60歳定年退職者の平均支給額」を確認していきましょう。
- 東京都:2310万3000円
- 神奈川県:2235万9000円
- 埼玉県:2201万1000円
- 千葉県:2176万8000円
上記のように自治体により違いがありますが、2000万円を超える水準となりました。
4. 【退職金】会社員はいくら支給されたか
では会社員の場合、退職金は2000万円を超えるのでしょうか。
最後に会社員の退職金について、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況(一時金・年金)の支給実態」を参考に見ていきましょう。
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出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」
4.1 大学・大学院卒の平均退職金(管理・事務・技術職)
- 定年:1983万円
- 会社都合:2156万円
- 自己都合:1519万円
- 早期優遇:2326万円
4.2 高校卒の平均退職金(管理・事務・技術職)
- 定年:1618万円
- 会社都合:1969万円
- 自己都合:1079万円
- 早期優遇:2094万円
会社員の場合、大卒・大学院卒も平均では2000万円を超えない結果となりました。ただし早期優遇では2000万円を超えるという結果に。定年後のライフプランを考えることで、早期退職を選択肢に入れる方が多いのも納得の結果です。
5. 会社の規模によって退職金事情は大きく変わる
会社員の平均退職金を見ていきましたが、そもそも企業によっては退職金がないところもあります。
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出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」
厚生労働省の同資料によれば、退職給付(一時金・年金)がある企業は80.5%。今後は退職金制度を無くす企業が増える可能性もあります。
さらに企業規模でも退職金事情は異なっており、「1000人以上」「300~999人」では9割以上が退職金制度があるものの、「100~299人」で84.9%、「30~99人」で77.6%です。
大企業では比較的安心ですが、中小企業での退職金事情は厳しいものに。業種によっても傾向は異なるため、まずはご自身の会社の制度について把握しておくことが大切でしょう。
6. 老後に向けて自分で備えを
定年退職後のお金について、具体的に考えている人は少ないかもしれません。
- 退職金で生活できる
- 年金だけで生活できる
- 定年後も働いて収入を得る
これらを老後計画にしている場合は、リスクが高いと言えるでしょう。今回見てきた退職金は、あくまでも直近データです。
今後は減る可能性もあること、会社によって変わることなどを考慮すると、老後資金を退職金に頼るのは心もとないです。
また今の高齢者でも、年金だけで生活している方はわずか48.4%のみとされています。
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出所:日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
「年金・退職金だけで生活できない可能性」と向き合い、自助努力が必要でしょう。
定年後も働く予定の方は、もちろん一つの有効な手段です。継続的な収入があれば安心ですし、健康管理にもつながりますね。
しかし、いつまで働けるかはわかりません。家族の介護などで仕事を離れる可能性も考慮すると、「働けないリスク」にも備える必要があります。
退職金、年金、収入に加えて貯蓄もしっかり備えておきましょう。
参考資料
- 内閣官房「退職手当の支給状況(令和2年度退職者)」
- 総務省「給与・定員等の調査結果等」各団体区分別の給与状況
- 総務省「地方公務員数の状況」
- 厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」
- 日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
太田 彩子
