住宅ローン「変動金利」のリスクとは

変動金利のリスクは、当然ながら金利が変動することです。借り入れ期間中に金利が上がれば、返済金利も上がります。

しかし、変動金利においても、金利変動がある度に返済金利が変わるわけではありません。

変動金利の特徴1. 「5年ルール」

金融機関によりますが、変動金利型の住宅ローンには「5年ルール」が適用となるケースが多いものです。

5年ルールとは、5年の間、返済額が変わらないというもの。

たとえば22年8月に住宅ローンを借り入れた後、金利が上がったり、下がったりした場合にも、27年7月まで返済額が変わることはありません。その後、変動があっても、返済額が変わるのは5年ごとです。

変動金利の特徴2. 「1.25倍ルール」

5年後に返済額が変わっても「1.25倍ルール」が適用されていれば、上昇幅はこれまでの返済額の1.25倍までとなります。5年ルールと同様、1.25倍ルールも採用されているケースが多い取り決めです。

変動金利の特徴3. 「未払い利息」が発生する

「5年ルール」と「1.25倍ルール」があれば変動金利も安心!……とは限りません。

これらのルールがあれば、変動金利でも、急激に、大幅に、月々の返済額が上がることはありません。

しかし、返済額が変わらなくても、その“内訳”は変動するという点に注意が必要です。

わかりやすくいうと、同じ月々10万円の返済だとしても、その内訳が元金7万円:利息3万円になるのか、元金3万円:利息7万円になるのかという話です。

金利が大幅に上がれば、月々の返済額以上の利息が発生してしまうリスクもあります。これが「未払い利息」です。

5年ルールと1.25倍ルールによって月々の返済額が抑えられても、未払い利息が発生してしまえば免除されることはありません。

未払い利息の精算方法は金融機関ごとに異なりますが、月々の返済とは別に精算するなどの対応が求められます。

また未払い利息が発生しなかったとしても、利息の割合が増える中、返済額が変わらず、元金がなかなか減らないということも起こり得ます。