厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、令和2年度末の公的年金制度の加入者総数は 6756 万人にのぼり、総人口1億2586万人の 53.7%を占めています。
企業で働く方は給与天引きにて、自営業の方は口座振替や納付書等で納める年金保険料。
必死で納めている保険料ですが、将来受け取れる年金からも「税金や保険料」が天引きされることはあまり知られていません。
意識しないまま生活設計を立ててしまうと、いざ老後に入って「老後資金が足りない!」なんてことにもつながりかねません。
今回は年金から天引きされるお金を確認しながら、厚生年金と国民年金の平均受給額まで見ていきましょう。
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1. 年金から「天引き」されるお金とは
公的年金には「厚生年金」と「国民年金」がありますが、どちらも額面と手取りは一致しません。つまり、これらの年金から天引きされるお金があるのです。
くわしく見ていきましょう。
1.1 天引きされるお金1. 介護保険料
40歳から健康保険に含めて納付が始まる介護保険料は、65歳以降も単体で支払う必要があります。年金年額が18万円以上の場合は、介護保険料が年金天引きになります。
介護保険料が年金天引きになると、以下のお金も年金天引き(特別徴収)の対象になります。
1.2 天引きされるお金2. 所得税
年金所得が一定額を超えると、所得税がかかります(障害年金や遺族年金を受給する場合は非課税)。
65歳未満で108円万以上、65歳以上で158万円以上の年金を受給する場合、所得税が課税される可能性があるので覚えておきましょう。
1.3 天引きされるお金3. 個人住民税
住民税が課税される方も、要件を満たすと年金から天引きされます。
住民税は前年の収入に対して支払い額が決まるため、特に退職の翌年の住民税の金額には注意しましょう。
1.4 天引きされるお金4. 健康保険料
年間に18万円以上の年金支給がある方は、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料も天引きされます。