1. 年金から天引きされる4つのお金

年金から天引きされるお金は、以下の税金と社会保険料です。

  • 所得税
  • 住民税
  • 介護保険料
  • 健康保険料

1.1 所得税

年金が一定額以上になると、年金に対し所得税が課税されます。65歳以上の場合、各種所得控除を考慮すると158万円以上で課税される計算になります。

これらの税金は、一定の条件を満たすと特別徴収で年金から天引きされます。そのため、実際に振り込まれる金額は額面より少なくなるのです。

一般的に年金収入だけの場合は確定申告が不要ですが、医療費控除や生命保険料控除など、控除対象となる項目がある場合は、確定申告を活用することで税負担を抑えられる可能性があります。

1.2 住民税

住民税も所得税と同じく、一定の条件を満たせば特別徴収で天引きされます。住民税は前年の収入に対してかかる税金のため、控除対象となる項目がある場合は、こちらも確定申告を活用しましょう。

1.3 介護保険料

介護保険制度は2000年に始まった比較的新しい制度で、40歳以上の人に保険料の支払い義務があります。年間18万円以上の年金を受給している場合は年金天引きの対象となるため、ほとんどの方が天引き対象です。

保険料は3年ごとに見直され、ここ数年上昇傾向にあります。少子高齢化が進み、一人あたりの負担が大きくなっていることが背景にあります。

第8期となる「令和3年度～令和5年度」の介護保険料基準額は、月額で6014円。初めて6000円台を超えました。ただしこれはあくまでも基準額で、実際の金額は地域により異なります。

1.4 健康保険料（国民健康保険・後期高齢者医療制度）

75歳未満の国民健康保険料と、75歳以降に加入する後期高齢者医療制度の保険料も、一定の条件を満たすと年金からの天引きとなります。