遺族年金を受給している人に、年金とは別に給付金が上乗せされる制度があることをご存じですか。春の訪れを感じる季節となり、新年度を前にした4月15日には今年度最後の年金支給日が予定されています。生活を支える公的制度の一つが「年金生活者支援給付金」です。

今回は、厚生労働省の調査結果をもとに、遺族年金生活者支援給付金の仕組みや支給条件、2026年度の増額改定のポイントについて解説します。

1. 【遺族年金生活者支援給付金】「老齢・遺族・障害」年金生活者支援給付金のひとつ

年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして支給される給付金で、以下の3種類があります。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

「老齢・障害・遺族」、それぞれの基礎年金を受給中の人が、公的年金を含めても所得が一定基準以下となる場合に、2カ月に一度、受け取ることができるものです。

2. 【遺族年金生活者支援給付金】所得要件「前年所得は約479万円以下」←非課税収入のぞく

遺族年金生活者支援給付金の支給要件は以下の通りです。

  • 遺族基礎年金の受給者
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)

※障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く。また、所得とは、収入から経費(給与所得控除等)を差し引いた後の金額です。

2.1 遺族年金生活者支援給付金の給付額

  • 月額5450円

なお、子が2人以上受給対象となる場合は、5450円を人数で均等に分けた額をそれぞれに支給します。

2.2 3人の子どもが遺族基礎年金を受給する場合

3人の子が遺族基礎年金を受給している場合の1人あたりの額は、5450円を3で除した金額となり、月額1817円です。

なお、計算の結果、50銭未満の端数が生じたときはこれを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときはこれを1円に切り上げます。また、実際の支給額は法令等に基づき変更される場合があります。

3. 【遺族年金生活者支援給付金】2026年度「給付月額5620円」年間2千円以上の増額

2026年度4月分から年金生活者支援給付金の給付額は、前年の物価変動率にもとづき、+3.2%の増額となりました。

3.1 【2026年度】年金生活者支援給付金の給付額

年金生活者支援給付金の給付額3/5

年金生活者支援給付金の給付額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月額5620円

老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに「保険料納付済期間や免除期間」に応じて、実際の支給額が計算されます。

4. 遺族年金生活者支援給付金、受給世代で一番多いのは「40歳代」

遺族年金生活者支援給付金(令和7年3月)4/5

遺族年金生活者支援給付金(令和7年3月)

出所:厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

令和7年3月時点において、遺族年金生活者支援給付金の受給件数は全国で7万7707件となっています。

<年代区分>

  • 20歳未満:5687件
  • 20〜29歳:529件
  • 30〜39歳:7881件
  • 40〜49歳:3万4072件
  • 50〜59歳:2万7828件
  • 60歳以上:1710件

受給者は40〜49歳および50〜59歳の中高年層に多く、全体の大半を占めています。これは、遺族基礎年金を受給する配偶者の年齢層が子の養育期間と重なりやすいことが背景にあると考えられます。一方で、20歳未満は子自身が受給者となるケースであり、60歳以上の件数は比較的少ない傾向にあります。

いずれの世代においても、遺族年金に上乗せして支給される本給付金は、遺族の生活を支える一助として家計面で大きな意味を持つ制度といえるでしょう。

5. まとめにかえて

今回は、遺族年金生活者支援給付金の支給額や対象要件、制度の概要について解説しました。年金生活者支援給付金は、老齢・障害・遺族の基礎年金受給者のうち所得が一定以下の人に支給される制度です。

2026年度は物価変動を反映し、遺族年金生活者支援給付金は月額5620円へ増額されました。受給対象となる人には請求書が届くため、内容を確認することが重要です。制度を正しく理解し、家計の安定や将来の生活設計に役立てていきましょう。

参考資料