【節電ポイント】電力需給は厳しい見通し

近年電力需給のひっ迫で電力不足が心配されていますが、今夏の電力はどのような状況なのでしょうか。熱中症のこともありますし、夏は頻繁にエアコンを使います。多くの家庭で電力の需要が高くなる傾向にあるでしょう。

10年に一度の暑さと言われていますから、気になるところです。今夏の電力の状況について、経済産業省資源エネルギー庁が2022年5月27日に発表した「2022年度の電力需給見通しと対策について」を参考に見てみましょう。

出典:経済産業省資源エネルギー庁「2022年度の電力需給見通しと対策について」

電力を安定的に供給するには3%の予備率(電力供給の余裕がどれだけあるかを表した数字)が必要とされています。しかし、東北・東京・中部エリアにおいて、最大需要発生時の予備率が3.1%とぎりぎりの数字です。

2017年度以降最も厳しい見通しとされているのです。同省が運営する「省エネポータルサイト」でも夏の間の節電を促しています。今夏の電力需給は厳しい状況と言っていいでしょう。

そもそも、なぜ電力不足が起こっているのでしょうか。

電力不足の背景として、火力発電の休廃止が相次いでいることがあげられます。火力発電はほかの発電施設に比べてコストがかかります。電力自由化によって電力の価格も下がり、かかるコストに対して採算が合わずにやめてしまう電力会社が多くなりました。

日本の全発電電力量の多くを火力発電が占めていますから、休廃止が相次いだことで電力が不足したわけです。またロシアのウクライナ侵攻でエネルギー供給が不安定になっていることや、コロナによるテレワークの増加で電力の需要が高くなったことも電力不足の背景としてあげられるでしょう。