2019年に「老後2000万円問題」が話題となりましたが、実際に他の人がいくらの貯蓄があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
株式会社ホロスプランニングが2022年7月13日に公表したアンケート「【老後2,000万円問題アンケート】実際、老後資金(満65歳時)はいくら貯められそうですか?」によると、満65歳時の預金額見込みが2000万円以上の方は約3割という厳しい事実が浮き彫りになりました。
では現在の高齢者は、老後資金として2000万円を保有しているのでしょうか。「老後は2000万円では足りない」という声もありますが、実際今の60歳代がいくら貯蓄を持っているかを深堀していきます。
さらに年金の支給額についてもチェックしてみましょう。
事実60歳代の7割が「貯蓄2000万円」を持ってない
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」から、まずは60歳代の貯蓄をながめていきます。
平均値・中央値は下記の通りです。
60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均:2427万円
- 中央値:810万円
60歳代の貯蓄分布
- 金融資産非保有:19.0%
- 100万円未満:6.4%
- 100~200万円未満:4.8%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:2.6%
- 500~700万円未満:5.9%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.4%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:9.6%
- 3000万円以上:22.8%
- 無回答:2.6%
60歳代の約4分の1が貯蓄100万円未満ということがわかりました。本題の「貯蓄2000万円以上」は約3割にとどまります。
現役時代から貯蓄をコツコツ進めてきた人とそうでない人の差が表れているといえるでしょう。
とはいえ、60歳代は退職金を手にした方も多いはずです。今度は退職金の平均支給額も見てみましょう。
60歳代が手にする「退職金」は平均でいくらか
老後資金の柱の一つが退職金です。
厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」によれば、退職給付(一時金・年金)がある企業は8割程度とされています。
退職金がない企業も一定数あり、その数は今後も増える可能性があります。
同調査によると、企業の規模が大きければ大きいほど退職金制度がある割合が大きくなっていることがわかりました。
では退職金の平均額はいくらなのでしょうか。
平均退職給付額「勤続20年以上かつ45歳以上の退職者(退職事由が定年退職)」
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職):1983万円
- 高校卒(管理・事務・技術職):1618万円
- 高校卒(現業職):1159万円
大学・大学院卒であれば、約2000万円が支給されています。企業規模だけでなく、学歴による差も大きいと言えるでしょう。
「厚生年金と国民年金」の平均受給額はいくらか
老後資金でもう一つ重要な柱となるのが、公的年金です。今の60歳代は、公的な年金をいくらぐらい受給しているのでしょうか。
国民年金と厚生年金の平均受給額を、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から見ていきましょう。
国民年金の平均月額
〈全体〉平均年金月額:5万6252円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4112円
厚生年金(第1号)の平均月額
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
夫婦の場合、たとえば専業主婦の妻と会社員の夫と想定すると、年金は約22万円程度になることがわかります。
この年金で暮らせるかどうかは、居住地や子どもの年齢、持ち家の有無等で変わるでしょう。また年金受給額は個人で大きな差があることを踏まえ、平均だけでなくねんきんネットなどで自分自身の目安額を知ることも重要となります。
老後を見据えた計画は早めに
今回は60歳代の貯蓄や退職金、年金受給額の実情について解説していきました。
60歳代の約7割は老後2000万円を保有していません。今の60歳代では年金で暮らしていける方もいますが、残念ながら受給額は減少傾向にあります。
加えて昨今の物価上昇を考えると、2000万円どころかもっと大きな資産形成が必要となる方もいるでしょう。
やみくもに貯蓄をしても、効率的とはいえません。まずは所属する企業の退職金制度や年金受給額について、目安となる額を把握しましょう。
ライフプランによっても支出額が異なるため、老後に向けて保有できる資産はじっくり計画することが大事です。早ければ早いほど、時間を味方につけた貯蓄もできます。
この機会に始めてみましょう。




