老後2000万円は本当に必要か

60歳代の貯蓄をみると分かる通り、現代のシニアであっても貯蓄3000万円以上保有しているのはおよそ2割です。

今の現役世代は住宅ローンや教育費の支払いが必要な方も多く、また平均年収も30年以上変わらないなか社会保険料などの負担が増えています。現役世代が3000万円以上貯めるのは厳しいかもしれません。

ただ、実際に老後いくら必要かは個人差があります。老後2000万円問題のもととなった計算を振り返りましょう。

出典:金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」をもとにLIMO編集部作成

老後2000万円問題は、高齢夫婦無職世帯の月の収支が約5万5000円赤字となり、老後を30年後仮定すると約2000万円足りないという計算です。

実際には「夫婦で年金がいくら貰えるか」「ひと月の支出はいくらか」に大きく左右されます。ご自身として考える場合には、ねんきん定期便などで将来受給予定の公的年金額をまず確認すると良いでしょう。

個人差ありますが、退職金がある際にはその金額や使い道も考えておきたいところです。

「持ち家か、車は保有しているか、老後に利用する交通機関の費用はいくらか」などによっても必要額は異なります。これらのことをまとめて考え、早いうちから対策を行う必要があるでしょう。

また、上記には旅行費用やリフォーム、介護費用が含まれていません。それに加えて物価が上昇することも想定するとなれば、3000万円は必要というご家庭も少なくないと考えられます。