株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年4月14日から4月20日)の株価動向を振り返る。
業種別振り返り-金融株が強含む相場展開となった1週間
今週上昇したのは、その他金融株やその他製品、銀行株など、22業種が上昇した。
米金利上昇の一服から、これまで調整局面に入っていた金融株に買いが入る中、アコム(8572)、アイフル(8515)などのその他金融株や、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)などの銀行株が値を上げた。
また、新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の品薄状態が継続していることなどを受け、任天堂(7974)が商いを伴い上昇。その他製品の上昇をけん引した。
一方、11業種が下落し、最も下落率が高かったのは石油・石炭製品、水産・農林業、海運業など。
米WTI原油先物価格の下落を受け、国際石油開発帝石(1605)や、JXTG(5020)などの資源・エネルギー関連株は値を下げた。
また、2018年3月期の営業利益が前期比-12%の230億円程度になる見通しと報じられたマルハニチロ(1333)が急落。バルチックドライ指数が軟調に推移する中、商船三井(9104)、日本郵船(9101)などの海運株も冴えない展開だった。
今後のマーケット見通しの注目点
今週は、これまで調整局面に入っていた金融株を中心に、買いが入るマーケットであった。一方、シリアや北朝鮮情勢等の地政学的リスクが高まっていることや、米WTI原油先物価格安から、資源・エネルギー関連株や海運株に売りが目立つ相場展開となった。
そんな中、23日には仏大統領選挙の第1回投票が行なわれる予定であり、極右政党・国民戦線のルペン候補の動向次第で外国為替市場のボラティリティが高まる可能性が強まっている。
今後は3月決算発表が相次ぐ中、2018年3月期業績予想を見極めながら個別銘柄を物色する相場展開となりそうだ。