2. 不動産オーナーが会社を設立するデメリット

不動産オーナーが会社を設立することには、メリットだけでなくデメリットも存在します。ここでは、不動産オーナーが会社を設立するデメリットを解説します。

2.1 会社の設立・維持に費用がかかる

会社の設立には、書類の作成や登記、印鑑作成など、費用と手間がかかります。設立する会社の種類などによっても異なりますが、設立にあたり10万円~30万円程度かかるのが一般的です。

開業届を提出するだけでよい個人事業主と比較すると、会社の設立に費用と手間がかかることはデメリットであるといえるでしょう。

また、個人と比較すると法人の会計業務は非常に複雑です。そのため、専門的な知識を有する税理士等と顧問契約を結ぶケースがほとんどでしょう。

法人の維持にあたり顧問税理士等に支払う費用が継続的にかかるため、個人と比較すると負担が大きくなるといえます。

2.2 物件を法人所有に変えるには費用がかかる

個人で所有している物件を法人の所有に変える場合は、登記費用や不動産取得税といった費用がかかります。そのため、個人名義の物件を法人所有に変更したい場合は、物件の規模やご自身の状況などから費用対効果を考える必要があるでしょう。

2.3 赤字でも支払わなければならない税金がある

法人の場合、赤字であっても法人住民税の均等割分は支払わなければなりません。

たとえば東京都の場合は、最低7万円の納付が必要になります。自治体によって条件が異なるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

2.4 長期譲渡所得の税制優遇を受けられない

個人の場合は、5年を超えて所有している不動産を売却する場合に長期譲渡所得の税制優遇を受けられます。しかし、法人には所有期間の長短に応じた税制優遇はありません。

そのため、5年を超える長期保有した物件を売却する場合は、個人の方が節税効果は高くなりやすいといえるでしょう。