5. 厚生年金は「老齢年金」以外の機能もある

「年金」と聞くと「老後に受け取れる老齢年金」というイメージが強いものですが、実はそれだけではありません。

老齢年金以外の2つの保障と、健康保険の充実という側面を見ていきましょう。

5.1 障害年金の充実

一定の障害を負うと、障害年金が受給できます。国民年金加入者にも「障害基礎年金」がありますが、厚生年金に加入することで「障害厚生年金」を上乗せできます。

加入期間が短くても300月分の給付が確保されたり、障害等級3級以下でも対象になったりというメリットがあります。

5.2 遺族年金の充実

年金には、生計維持者が亡くなったときの遺族保障という機能もあります。

国民年金加入者にも「遺族基礎年金」がありますが、支給条件はやや厳しくなっています。

遺族厚生年金があれば支給対象となる可能性はあがり、給付額も上乗せできます。

5.3 健康保険の充実

厚生年金に加入するということは、会社の健康保険にも加入することになります。

これまで夫の扶養に入っていたパート主婦の場合、夫の健康保険に加入していたことになります。

しかしこの場合、傷病手当金や出産手当金の対象外でした。十分な保障を受けていたとはいえないでしょう。

もし自分で健康保険に加入すれば、これらの制度の対象となります。病気や怪我で働けないとき、あるいは出産を理由に求職するときなどに、手厚い保障が受けられるようになります。