4. 本質的なポイントは、資産を世界中に分散させること
先述のコーヒー豆の例から、では資産はできるだけドルで持っておけばよいのかと思われるかもしれませんが、本当にお伝えしたいことはそうではありません。
貯蓄や投資によってお金を貯める目的は何か、改めて考えると、それは将来の消費にまわすためではないでしょうか。
輸入に頼っている日本で暮らすのであれば、将来、お金を使う際には、世界中からモノやサービスを購入することになります。
世界中からモノやサービスを買うという前提に立てば、資産を世界中に分散させておいて、使うタイミングで取り崩すことで、為替の影響を抑えることができます。
世界への分散投資を行うことで、将来に向けて為替のリスクを下げることができるのです。
今年のように、為替相場が大きく動いている時期には、海外の資産に投資することで、為替変動のリスクを取り過ぎているように感じるかもしれません。
しかし、中長期的に考えると、海外に、それも世界中にバランスよく資産を分散しておいた方が、実質的な為替の影響を抑えることにつながります。
長期的に形成する資産に関しては、目の前の為替の影響だけに惑わされずに、あえて為替のリスクを取ることも有効です。世界への分散投資によって、実質的に通貨も世界に分散することで、将来的な為替変動のリスクを下げることができるのです。
円安や物価上昇が続いているタイミングで、冷静に自身の資産形成の方針を守ることは、簡単ではないかもしれません。長期的な資産形成を成功させるための一つの考え方として、分散投資の効果についてお伝えしました。
ウェルスナビ株式会社 小松原 和仁