2022年5月12日に行われた、日本エコシステム株式会社2022年9月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:日本エコシステム株式会社 代表取締役社長 松島穣 氏

第2四半期 売上高・営業利益の推移

松島穣氏:日本エコシステムの2022年9月期第2四半期決算説明資料の補足説明をさせていただきます。はじめに、業績について概要をご説明します。売上高・営業利益の推移ですが、当第2四半期の累計において、連結売上高および営業利益ともに、前年同期比で増収増益を達成しています。2021年9月期の決算で公表した業績予想に対し、順調な推移となっています。

第2四半期 損益計算書サマリー

当第2四半期累計の損益計算書のサマリー、連結累計業績についてご説明します。日本国内で新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、依然として先行きが不透明な状況であったものの、当社業績に対する影響はわずかでした。結果として順調に推移し、売上高は前年同期比10.2パーセント増の36億1,900万円となりました。

売上高の主な増加要因は、環境事業における、太陽光発電設備の工事進行基準の適用となる大型工事の進捗、および水族館等の水循環システムに関する受注や、公共サービス事業における、公営競技施設の機器設置工事の受注などです。

損益面では、営業利益が前年同期比24.1パーセント増の4億7,400万円、経常利益が25.5パーセント増の5億1,400万円となりました。

売上高の増加に伴い営業利益と経常利益が大きく増加した一方で、2022年2月に日新ブリッジエンジニアリングの株式を追加取得し完全子会社化したことに伴い、当該株式の取得原価に含めていた付随費用を特別損失として計上したこと、および上場に伴う増資によって、中小法人の税制優遇措置の適用除外となりました。その結果、税金費用が増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比4.6パーセント増の2億8,200万円となりました。

第2四半期 セグメント別実績

当第2四半期累計のセグメント業績についてご説明します。公共サービス事業では、当第2四半期累計において、新設された場外車券発売所のトータリゼータシステムの機器設置、キャッシュレス化に伴うインターフェース装置の需要の高まりによって、利益率の高い工事売上の構成比が増加しました。その結果、売上高は前年同期比微減の17億2,200万円でしたが、セグメント利益は前年同期比17.3パーセント増の3億1,800万円となりました。

環境事業については、排水浄化処理に関する事業の排水処理製剤の拡販のみならず、水族館やリゾート施設向けの「水質だけでなく生体にも影響の少ない水中環境を提供する水循環システム」の需要が高まりました。また、太陽光発電設備にて工事進行基準適用となる大型工事も順調に進捗しました。その結果、売上高は5億7,500万円、セグメント利益は7,400万円となりました。

交通インフラ事業は、主要顧客であるNEXCO中日本関連会社からの電気通信設備・構造物の点検・保守、高速道路の維持修繕などの業務が順調に推移しました。その結果、売上高は前年同期比8.1パーセント増の12億円、セグメント利益は前年同期比3.9パーセント増の3億2,900万円となりました。

その他事業では、システム保守業務、AI技術を活用したICTソリューションの提供に関わる事業、および不動産の仲介、売買、賃貸等不動産に関わる事業を展開しており、 売上高は1億2,000万円、営業利益は1,200万円となりました。

第2四半期 営業利益の増減要因分析

営業利益の増減要因をウォーターフォール図でご説明します。当第2四半期累計で、公共サービス事業や環境事業の売上増加が、営業利益の押し上げに寄与しました。

また、中長期的な売上高成長率の加速に向けて、さまざまな成長投資を行いました。具体的に、前期から継続して人材採用を強化した結果、人員増に伴い人件費が増加しました。また、交通インフラ事業の道路エンジニアリングに関わる領域の強化を目的とする、日新ブリッジエンジニアリングの子会社化に伴うのれん償却費を計上しています。

株主還元

株主還元についてご説明します。配当の状況として、当第2四半期末を基準日とする「1株当たり10円の上場記念配当」を行います。これは、2021年10月8日の東証・名証における当社の上場にあたっての記念、そして何より株主のみなさまへの感謝の意を表するものです。

上場記念の中間配当を含めた、当期の年間配当金は、1株につき50円を予定しています。

環境事業

当期の5月12日時点における、当社事業に関するトピックスについて、環境事業の排水処理製剤に関する推進状況をご説明します。

2020年5月に事業譲受をした時点から、プル型・プッシュ型など、複数の方法で営業活動を推進しています。その結果、試料を当社の研究所に持ち込み分析・試験を行う試料試験では、事業譲受時点から累計で63件に件数が拡大しました。お客さまの処理施設で実証的に検証を行う実地検証では、事業譲受時点から累計で40件の件数拡大となりました。

実際の導入開始において、事業譲受時点から累計で15件の件数拡大が図られています。現在の取り組みとしては、さらなる販売強化に向けて販売代理店の拡充を図っており、現況、専門商社など複数の大手事業者との協議が進んでいます。

環境事業

環境事業の領域の広がり、トータルエンジニアリング化についてご説明します。排水処理では、処理設備やプラントとの関わりが切っても切り離せない関係にあります。専門人材の確保や協力会社の拡充により、設備やプラントの取扱い・設計施工、また水を処理して排出する領域だけでなく、水を循環利用する領域まで広げ、当社の知見を最大限活用する方針で事業を進めています。

水循環利用の主な導入先は、水族館や大きな水槽が設置されるレジャー施設・商業施設・宿泊施設などです。スライドの写真は当社が手掛けたものですが、静岡駅からもほど近い松坂屋静岡店の7階に位置し、誰もがアクセスしやすい、暮らしに寄り添うスタイリッシュな水族館「スマートアクアリウム静岡」です。水族館において、従来の自治体などが運営する水族館に加えて、「スマートアクアリウム静岡」のような建物内に作られるタイプの水族館の需要が高まる見込みです。

「排水浄化処理」に加え「水循環利用」まで含めた、「水をきれいにする」トータルエンジニアリングを、積極的に推進していきます。

環境事業

環境事業の研究開発に関してご説明します。世界的な課題である原油スラッジの処理について、当社がかねてより出願していた原油スラッジの処理に関する特許が日本の特許庁に登録されました。

この特許は、原油スラッジに含まれる油分を分解するとともに、含まれる重金属を溶け出させずに除去するフェライト金属化、そして有害な硫化水素の低減を可能とする、処理剤・処理方法・処理剤キットを提供するものです。原油スラッジは、ガス・水・廃棄物の複数視点で課題解決をしなければならないものですが、当社特許技術を用いることで、複数視点での対応を可能とする、まったく新しい画期的な技術であると認識しています。

この特許技術を用いて、低コストで原油スラッジに含まれる油分を安全に分解して廃棄物を大幅に削減し、また生成スラッジの回収や再利用を可能とすることで、世界的な課題解決、環境汚染の予防、持続可能な社会の構築に貢献していきたいと考えています。

なお、これらの拡販は、原油スラッジをはじめとするスラッジ処理を行う処理事業者に向けて販売し、処理現場での活用を目指すものです。

交通インフラ事業

交通インフラ事業では、特に道路エンジニアリング領域に注力しています。これらの領域を拡張・拡大するために、橋梁点検や調査補修補強設計等を得意とする建設コンサルタント会社の日新ブリッジエンジニアリングの全株式を取得し、子会社化しました。これにより、業務エリア・業務種類・顧客といった相互のシナジーの創出・発展が見込まれます。すでに、技術、知見、取引先を相互に共有、展開、紹介するなど、シナジーの発揮に向けて鋭意推進しているところです。

公共サービス事業

公共サービス事業において、当社が運営する場外発売所の発売競技の複合化についてご説明します。2014年3月に、実際のバンクで競技用自転車が走る本場であった一宮競輪が、惜しまれつつ閉場しました。

一宮競輪が開催されていた時は、当社は公営競技専用システムであるトータリゼータシステムの保守を行っていました。その経験、知識、技能があったこともあり、一宮市からの要請を受け、一宮競輪跡地において、2019年4月より競輪の場外発売所であるサテライト一宮をオープンしました。

オープン当初は競輪の発売のみでしたが、2020年7月からオートレースの販売を、2021年10月からは地方競馬の販売を開始しています。その結果、1つの施設で複数の競技を販売する「複合型場外発売施設」となり、全国でも珍しい特徴、強みを持った場外発売所となりました。

今後、さまざまなイベントの実施やサービス向上を図り、知名度向上とあわせて、地域に根差したみなさまに愛される複合型場外発売施設を目指していきます。

公共サービス事業

公共サービス事業の営業や入札状況についてご説明します。2003年に自転車競技法が改正され、公営競技施設の包括的な運営について、地方自治体から民間への委託が可能となりました。競輪のみですが、実際に自転車が走る本場は43場あり、法改正によって、2016年時点で3割以上にあたる16場が民間へ委託されました。2022年はさらに委託化が進み、25場へ増加しています。今後も民間委託が進むものと見込まれています。

当社はこれを契機として、積極的な情報収集、営業活動、入札参加を実施しており、1場でも多くの公営競技施設の包括的な運営受託が実現できるよう、積極的に取り組んでいきます。

また、場外発売所に目を向けると、2022年初夏に東北地方に新たな競輪場外施設のオープンが予定されており、本場のみならず、場外発売所の新設や機器入れ替えの機会を逃さずに捉えられるよう、あわせて情報収集、営業活動、入札参加に努めていきます。withコロナの時代においても高まる需要を積極的に取り込んでいきます。

公共サービス事業

公共サービス事業では、競輪業界初のAI予想システムを開発し、提供しています。DXの時代、予想においてもデジタル化へシフトチェンジしています。当社が保有する特許である、ベイジアンネットワークに関するAI技術を活用し、競輪業界初のAI予想システムを開発し、一般に広く公開しています。

過去の10万レース以上のデータを用いて、タイプの違う2種類の予想エンジンを開発しました。展開にあたって、2種類の予想エンジンをキャラクター化し、公営競技業界の次期メインターゲットとなる若年層へ響くようアプローチしています。

公共サービス事業

公共サービス事業の市場環境の現況についてですが、新型コロナウイルスの影響もありデジタル化、いわゆるネット投票が急激に伸長しています。当社も参入障壁の高いネット投票に参画してAI予想システムとあわせて展開し、他投票サイトとの差別化を図っています。

ネット販売の拡大により、2017年を起点とすると、2021年のネット市場の売上は2.7倍に伸びています。また、当社のネット販売ポータルサイトである「LotoPlace」の伸びについても、2019年を起点とすると、売上は3.1倍と伸びており、市場全体の伸びとあわせて伸長している状況です。

ガールズ競輪やミッドナイト競輪による人気もあり、市場環境はさらに伸びる見込みです。参入障壁の高いネット投票のポータルサイトの会員、投票・販売を伸ばすべく、さらなる差別化を図っていきます。

公共サービス事業

公共サービス事業における、当社グループの公営競技場受託場数の推移についてご説明します。先ほどお伝えしたとおり、民間委託の波に乗り、積極的な入札参加による受託場数の増加を狙います。実際に自転車やバイクが走る競技場である本場や、投票券を販売するのみの施設である場外発売場の包括受託・部分受託ともに、1場ずつしっかりと増やしていきます。

通期業績見通し

通期業績見通しについて、概要をご説明します。2022年9月期の業績見通しとして、売上高は70億3,400万円、営業利益は8億1,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は5億8,800万円を見込んでいます。

新型コロナ 事業への影響

新型コロナウイルス感染症に伴う事業への影響についてご説明します。ほとんどの事業において影響はわずかで、公共サービス事業についても影響は小さいものと見込んでいますが、引き続き、感染症対策を講じつつ事業運営を順調に進めていきます。

成長戦略

成長戦略についてご説明します。現在、当社は主に公共サービス事業と交通インフラ事業において、安定的かつ堅調な事業運営が実現できていますが、交通インフラ事業が、現在におけるキャッシュカウだと考えています。ここで積み上げた利益を環境事業へ積極的に投資することで、環境事業を大幅に成長させ、将来の主力事業に育てていきます。

公共サービス事業は、包括受託の拡大、急拡大するネット投票への対応を積極化することでキャッシュカウへと育てていきます。

当社は環境社会をリードする企業として、CO2削減・脱炭素社会実現に向けて環境事業に積極果敢に取り組んでいきます。国内のみならず、海外へも展開し、2030年のSDGs達成に向けて、実効性の高い事業推進を行います。

利益成長イメージ

将来の売上・利益成長イメージについてご説明します。環境事業では、排水処理・水循環利用に関する事業をしっかりと大きく育て、当社における「成長し続ける主力事業」へ育てていきます。

公共サービス事業では、今後、さらに自治体が公営競技施設の包括的な民間委託をしていくと予想されます。この流れをしっかりと捉えて受託場数を増やし、かつネット投票とAI予想サイトの運営により、より高い利益獲得を実現したいと考えています。

交通インフラ事業は、事業特性上、短期的な事業拡大は難しいところもありますが、積極的なM&Aも推進しながら、NEXCO中日本グループ内での業務受託量、業務受託エリアの拡大のみならず、NEXCO東日本・西日本グループへの拡大・拡張を目指していきます。

また、事業間シナジーにより、セグメント間のクロスセルの可能性として、産業用太陽光を高速道路・サービスエリア上に設置提案。その他、トンネル掘削における汚染水、汚染土への当社薬剤の活用など、セグメント個々にビジネスを行うのでなく、当社の強みのエンジニアリングからメンテナンスという幅広いサービスを提供し、セグメント間のクロスセルを実現していきます。

成⻑ポテンシャル(環境)

各事業の成長ポテンシャルのイメージをご説明します。環境事業の成長ポテンシャルですが、「排水浄化処理」に加え「水循環利用」まで含めた「水をきれいにする」トータルエンジニアリングを目指していきます。グリーン・サスティナブルケミストリーに即した、薬剤、排水浄化処理システムおよび水循環システム、設備・プラントまで、水をきれいにする方法をトータルにご提案します。新型コロナウイルスの動向・状況いかんですが、海外販売も含めて推進していきます。

また、既に国内外の大学と連携し、産学連携による共同研究も行っています。クロスセル効果として各自治体との取引がありますので、産学官連携も視野に入れています。

その他大手企業との共同研究によるさらなる用途開発も行っており、自治体を含めた販売チャネルの拡大戦略と国際特許等の知財戦略の両輪で拡大していきます。

成⻑ポテンシャル(公共)

公共サービス事業の成長ポテンシャルですが、積極的な情報収集・入札参加による、民間委託化がなされる本場の包括受託の増加を目指していきます。入札参加にあたって、当社単独、共同体による入札など、より社会に貢献することができる方法を、柔軟に取り入れて進めていきます。

さらに、参入障壁の高いネット販売が可能となる環境を活かすため、より特徴のあるネット投票へ変化させ、ニッチでおもしろみのあるものとしたいと考えています。ネット投票においても、IT企業との連携など、リアルでもネットでもビジネスエコシステムを構築・体現し、成長につなげていきます。

成⻑ポテンシャル(交通)

交通インフラ事業の成長ポテンシャルですが、現在の販売先である自治体とNEXCO中日本グループを中心としています。今後は現在の販売先への深耕として、当社の機動力や協力会社との強力なリレーションシップを活かし、業務エリア・業務種類を広げていきます。さらに、NEXCO西日本・東日本といった別エリアへ参入すべく、M&Aも強力に推進していきます。

先ほどにお伝えしたとおり、高速道路設備の老朽化に伴い、維持修繕費の増額が見込まれていることから、M&Aや新たな人材の確保、多能工人材の育成を行い、高度な技術力と機動力で安定的に拡大していきたいと考えています。

会社概要

最後に、会社情報などを簡単にご説明します。当社は、1998年11月26日に創業した会社です。創業翌年の1999年に交通インフラ事業を開始し、大きな節目となったのが2011年で、オスカー電子より一宮競輪場のトータリゼータシステム機器の保守事業と高速道路の電気通信の保守事業を譲り受け、大きく事業が飛躍しました。 これに伴い2016年にサテライト一宮、2017年に日本ベンダーネットを譲り受け、公共サービスの領域に事業拡大しています。2018年にモデライズよりAI事業を譲り受けて公共サービスと紐づけ、AI機能による競輪予想「AIcast」の開発を成功させました。今後も、AI機能を各事業セグメントで展開したいと考えています。

環境事業では、2020年にセイネンより排水処理事業を譲り受け、2020年12月に新工場・研究所を操業開始しています。このように、M&Aは成長の特長の1つです。

2021年10月には、東京証券取引所市場第二部(現スタンダード市場)上場、名古屋証券取引所市場第二部(現メイン市場)上場を果たしています。

社是・経営理念

社是と経営理念をご説明します。スライドにある「未晃道(みこうどう)」は造語であり、未来の地球を照らし、輝き続ける事業をつくり続ける、そのような道を目指したいという想いを持っています。

当社は環境社会をリードし、社会に必要とされ続けることで、まずは創業100年、そして300年を目指しています。上場は、この理念のもとに決意したものです。

事業概要

会社概要にてご説明したとおり、M&Aを含めた当社の成長の過程を経て、現在の事業セグメントが構成されました。今後も、3セグメントを当社の事業として推進していきます。

事業概要

事業の特徴についてご説明します。当社グループは「BtoP(Public)」とスライドに記載しているとおり、グループ全体の主たるお客さまは、自治体やNEXCO中日本グループといった公共性の高いお客さまで、売上の約60パーセントを占めています。安定性が高く、継続的に業務を発注いただいており、当社の取引先の中心と言えます。

高い収益性により積み上がった利益を元に、現状で言いますと、環境事業の排水処理事業の新しいビジネスに資金を投資しており、安定事業と成長事業の両輪により、バランスのよい事業展開・事業成長を図っています。

当社は、参入障壁の高い3セグメントで事業を構成しています。公共サービス事業は、自治体が主催する公営競技で、主に競輪向けのサービスを展開しています。トータリゼータシステムの開発は特殊で、国内では3社しか手掛けられません。当社は設計、開発、製造、販売、そして保守まで、また近年ではファシリティ事業も追加し、一気通貫でのサービス提供が可能です。これにより、さらに他社との差別化を図ることができています。

環境事業は、これまで産業用太陽光発電設備の設置、販売が中心でした。しかし、2020年から、排水処理用の薬剤製造を行う、岐阜に本社を持つセイネンからの事業譲渡により、当社の新事業としてスタートしています。新商品、新素材、新たな用途開発などの知的財産、研究開発に加え、営業体制の強化、販売チャネルの拡大を行い、環境社会をリードする当社の成長事業と考えています。

交通インフラ事業は、NEXCO中日本グループを中心に、トンネルや橋梁などの構造物点検、ETCをはじめとする電気通信設備の保守点検など、長年にわたる経験による、高い技術と卓越した安全管理で、高い付加価値と高い収益性を維持しています。

このように、当社グループは公共性と参入障壁の高さが大きな強みで、その強みゆえに高い利益率を実現できていると考えています。

事業概要

1つ前のスライドでお伝えしたとおり、高い付加価値を持ったサービスと高度な技術に基づく、公共関連や環境関連向けに、エンジニアリングからメンテナンスまで総合的なサービスを提供しています。各セグメントが持つ技術・サービスといった得意領域、そして人材を相互に補完し合い、各セグメントの取引先へクロスセルすることで、シナジーを創出しています。

環境事業

環境事業のビジネスモデルについてご説明します。環境事業は、従来の産業用太陽光発電設備の販売設置に加え、2020年5月より排水処理製剤の研究開発、製造販売を開始しています。「排水浄化処理」に加え「水循環利用」まで含めた「水をきれいにする」トータルエンジニアリングを、積極的に推進していきます。

公共サービス事業

公共サービス事業のビジネスモデルについてご説明します。公共サービス事業は、トータリゼータシステムおよびシステムを搭載する機器の設計、開発、そして設置から運営までが従来のビジネスモデルです。

現在はこれに加え、公営競技施設全体を運営する包括的な受託を行い、そこへ新たにファシリティ業務を追加したビジネルモデルへ移行しています。

具体的には、電気設備や空調設備の更新、さらに施設警備などを加え、一括した業務の運営を可能としています。あわせて、環境事業とのクロスセルで太陽光発電設備の設置なども可能です。これらの事業の提供は業界的に見ても、他社にない強みであり、他社と大きな差別化を実現できるビジネスモデルです。

当社グループが主に運営する競輪において、2003年の自転車競技法改正に伴い、公営競技施設の運営を行う各自治体が、その運営を包括的に民間委託する流れにあります。当社も、従来の部分的な受託でなく、運営を丸ごと包括的に受託するモデルを強みとしています。

今後は急拡大するネット販売にあわせ、実際に顧客が投票券を購入できるポータルサイトである、ネット投票の「LotoPlace」、そしてAI予想サイトの「AIcast」といったネット化への対応にも力を入れています。また、AI予想に関して、自社活用だけでなく、デジタルコンテンツとして大手メディア会社にも販売を行っています。

交通インフラ事業

交通インフラ事業のビジネスモデルをご説明します。高速道路という、一般生活と異なる特殊な空間における、橋やトンネルといった構造物、ETCなどの電気・通信施設の保守・メンテナンスを中心的に行っています。土木や道路舗装メンテナンス領域も当然ながら実施していますが、AI・IoT・5Gといった次世代に向けたエンジニアリング領域に注力しています。

この事業を継続的に安定的に運営するために、発注者であるNEXCO中日本グループの各拠点に対し、より近いところでタイムリーに業務を遂行し、拠点の新設、新たな作業車両の調達、人材の採用・育成に資金を投入していきます。

NEXCO中日本グループの担当エリアだけでも業務量は多分にあり、その受け手が不足する業界です。NEXCO中日本グループ以外にも、NEXCO東日本グループと西日本グループがあり、まだまだ成長する領域であるため、これからも注力していきます。

サステナビリティおよびCSR

サステナビリティおよびCSRについてご説明します。社名にある「エコシステム」は「ビジネス・エコシステム」の考え方に由来しています。当社は「ビジネス・エコシステム」の構築を実現すべく、さまざまなステークホルダーを広く視野に入れ、企業と企業、企業と社会といった関係における協調、調和を図りながら、相互発展を目指すという想いを社名に込めています。

当社は環境社会をリードし、社会に必要とされ続けることで、まずは創業100年、そして300年を目指しています。そのために、企業としての社会的責任を果たすことが重要であると考えています。

2022年2月に、名古屋銀行が取り扱う「めいぎんポジティブインパクトファイナンス」の第1号案件として、名古屋銀行との契約を締結しました。ポジティブ・インパクト・ファイナンスを実行することにより、社会インフラサービス企業として、環境社会をリードする事業を通じて、地域の社会的課題の解決と経済発展の両立を図っていきたいと考えています。

また、本件のみならず、ソーシャルボンド、グリーンボンドといった社会的課題の解決に資するプロジェクトの資金調達に向けた投資も積極的に実施していきます。

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