4月20日は「郵政記念日」
4月20日は「郵政記念日」です。ご存知でしたか? これは、逓信省(現在の日本郵政グループ)が1934年に「逓信記念日」として制定したのが始まりです。その後、逓信省が郵政省・電気通信省に分割された1950年に「郵政記念日」と改称されました。
ところが、1959年に「逓信記念日」に戻されます。しかし、2001年の省庁再編に伴い、再び「郵政記念日」となった経緯があります。
しかし、本当の意味では、1871年(明治4年)3月1日(=新暦の4月20日、明治初期は旧暦を使用していました)、それまでの飛脚制度に代わり新しく郵便制度を実施したのがルーツと言えましょう。郵便制度が日本の発展に大きく貢献したことは疑いのない事実であり、それを記念する「郵政記念日」には大きな意味があると考えられます。
日本郵政グループの株価低迷が気になる今日この頃
しかし、皆さんの中には“郵政記念日なんかどうでもいいから、低迷する株価を何とかしてくれ!”という嘆き・悲しみ・怒りを覚える人が多いかもしれません。
そこで、郵政記念日とは関係ありませんが、2015年11月4日に上場を果たした日本郵政グループの株価を見てみましょう。
株価上昇が続いた2015年11月の上場直後
日本郵政グループの株式上場は、近年にない大型案件として注目されました。2015年11月4日に上場したのは、日本郵政グループの持ち株会社である日本郵政(6178)、その傘下にある子会社ゆうちょ銀行(7182)、および、かんぽ生命(7181)の3社です。持ち株会社のみならず、その傘下にある子会社まで上場するのは異例だったと言えます。
この3社の初値は、いずれも公募価格を上回り、2015年内は株価上昇が続きました。特に、かんぽ生命株は公募価格に対して一時+87%高になるなど、投資家からの人気が高まったことが伺えます。
しかし、今振り返ってみると、3社ともこの2015年内の上昇時が高値となってしまいました。
2016年に入って株価は低迷、かんぽ生命株は高値の半値未満に
2016年は年初から株式市場の下落が進む中、6月のブレグジット(Brexit)後に日本株は安値を更新しました。
郵政グループ3社も例外ではなく、日本郵政は公募価格を▲16%下回る安値を付け、同様に、ゆうちょ銀行は▲23%、かんぽ生命も▲12%下回っています。
公募価格で買った投資家も忸怩たる思いでしょうが、前述したように、上場後の高値で購入してしまった投資家が憂鬱な日を過ごしたことは想像に難くありません。特に、かんぽ生命株は上場後の高値4,120円が半値未満の1,927円まで下落したわけですから、まさしく「山高ければ谷深し」だったのです。
その後、いわゆる“トランプラリー”による株式市場の急回復などもありましたが、現在でも日本郵政とゆうちょ銀行は公募価格を下回ったままです。その点、かんぽ生命株は公募価格を+10%超上回っているので、それなりに健闘していると言えましょう。
では、この先の見通しはどうでしょうか?
日本郵政株の第2次売り出しの行方が焦点
最大の焦点は、日本郵政株に係る政府保有株の追加売却(第2次売り出し)の行方です。それは、需給の悪化が懸念されるためです。既に3月29日には、第2次売出しに係る主幹事証券会社が正式に選定されました。
ただ、売出し時期や放出量などは未定となっており、これがそのまま不確定要因として株価の上値を抑えていると考えられます。また、2015年11月の上場から約3カ月後に日銀が導入したマイナス金利による影響も懸念されたままです。
さらに、ゆうちょ銀行、および、かんぽ生命は、民間金融機関との競争激化が熾烈になる一方であり、今後の収益動向にも注意が必要でしょう。
需給悪化懸念の解消待ち、長い目で見守ることも必要
何となく、目先は好材料が期待し難いような雰囲気です。しかし、これら3社のうち、かんぽ生命を除く2社は配当利回りが高いという特徴があります。早期の値上がり益を見込むのではなく、高配当利回り株と割り切って、需給悪化懸念が解消された後の株価回復局面を待つのも一考に値しましょう。
冒頭にも記したように、郵政事業には長い歴史があります。株式上場は始まったばかりですから、長い目で見守ることも必要になるかもしれません。
LIMO編集部