老後に向けて準備は必要か

ここまで、働きざかり世代の40歳代と50歳代の貯蓄額を見てきましたが、老後に向けて何か特別な準備は必要なのでしょうか？

先ほど見ていただいた貯蓄平均額と老後必要な金額の乖離が大きい場合、何らかの対策をする必要があると判断できます。

まずは老後必要な金額を見ていきましょう。

老後必要な金額に関して、一昨年話題になった「老後2000万円問題」を例に検証していきます。

「老後2000万円問題」に関して、金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料)をもとにみてみると、以下のようになります。

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)

ひと月の収支

  • 実収入(主に年金)：20万9198円
  • 実支出(主に食費)：26万3718円

月々の赤字額＝約5万5000円

老後必要額＝5万5000円×12カ月×30年(老後30年と仮定)＝1980万円※約2000万円

ここで、老後最低限度の生活費を考えた時に2000万円が不足してしまうということです。

また、公益財団法人生命保険文化センターの意識調査によると、「ゆとりある老後生活」を送りたいと考えた場合、月々の生活費が36万1000円必要となる、という結果も。

これを上記の老後必要額の計算式に当てはめると、トータルで約5400万円が不足する計算になります。

以上のことから、40代以降のみなさんは、そろそろ何らかの老後対策をスタートされる必要があるかもしれません。

では、具体的にはどのような対策ができそうでしょうか。次で見ていきます。