「老後のお金」のために、今からできること
働きざかりの40歳代・50歳代のみなさんの場合、月々の収入が若い世代に比べて多い傾向がありそうです。
特に50代の場合、年収のピークを迎え、住宅ローンや教育費の支払いが落ち着き始める人が増える時期でもあります。貯蓄の成果が見え始め、家計に余裕が出てくる世帯も多いでしょう。
その余裕分を、いかに上手に活かすかが、腕の見せどころですね。
まず、毎月コツコツ貯金を続けていくことも、もちろん大切です。しかし、超低金利の今、銀行の預貯金だけでお金を持ち続けても、残念ながらお金を「増やす」ことには繋がりにくいといえるでしょう。
そこで重要となるのが、お金にも働いてもらう、つまり資産運用をしていく発想です。
これは過去のデータを見ても明らかです。
金融庁「人生100年時代における資産形成」(平成31年4月12日)によると、日米の家計金融資産増加率は、1998年からの20年間でアメリカ(米国)が2.7倍、日本が1.4倍となっています。
また、この増加率のうち、運用リターンによる要因はアメリカが2.0倍、日本が1.2倍です。さらに、以下をご覧ください。
日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」(2020年8月21日)
家計の金融資産構成
日本
- 現金・預金:54.2%
- 債務証券:1.4%
- 投資信託:3.4%
- 株式等:9.6%
- 保険・年金・定型保証:28.4%
- その他計:2.9%
米国
- 現金・預金:13.7%
- 債務証券:6.0%
- 投資信託12.3%
- 株式等:32.5%
- 保険・年金・定型保証:32.6%
- その他計:3.0%
これは、日本とアメリカの家計金融資産の内訳を示したデータですが、比べてみると日本は現金・預金のみで金融資産の半分以上を占めているのに対して、アメリカは約半分が株や債券、投資信託等の投資性商品になっています。
つまり、貯金だけではなく、資産運用をするかどうかで、将来の資産額は大きく変わる可能性が高いということなのです。