3. 年金生活を支える老後資金、どのようにして計算する?

このように、厚生年金を「月25万円以上」受け取っている人はかなり少ない、という結果でしたが、それだけの年金があれば老後の生活費が足りるかと聞かれたら、人によりさまざまですね。

月25万円以上の厚生年金を受け取れる人は、現役時代の生活水準もそれなりに高い可能性があります。よって、厚生年金だけでは生活費が足りないというケースも考えられるでしょう。

また言い換えれば、ほとんどの人の年金は「月25万円未満」ということになるので、老後を年金だけで生活しようと考えることは非常にリスクが高いといえるかもしれません。

3.1 老後の「赤字額」の目安をつかむ。

ここで、老後の年金生活を支える老後資金はどのくらい準備すればよいかを考えます。以下の計算式で、まずは老後のひと月の生活費の赤字部分を算出してみましょう。

  • 毎月の老後生活費 ― 年金収入 = 毎月の赤字部分

老後は「毎日が日曜日」とも言われるほど時間に余裕ができるので、カツカツの金額で計算するというよりは、ゆとりをもった金額で計算していきましょう。

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(令和元年度)によれば、ゆとりある老後生活を送るための費用は平均で36万1000円となっています。

毎月の赤字部分が算出できたら、それに老後の年数をかけてみましょう。

  • 毎月の赤字金額 × 12カ月 × 老後30年 =老後の必要資金総額

さらに、この計算には介護の費用が含まれておりませんので、介護費用もしっかりと自分で準備したいという人は、介護費用も上乗せして計算する必要があるかと思います。