2021年度の高校卒業生のうち、大学や短期大学、専門学校に進学したのは全体の83.8%になります。大学進学率は過去最高の54.9%を記録し、高校卒業生の過半数以上が大学に進む時代になっています。

そのため、子どもを出産した際は「高校卒業後に進学する」「大学進学にかかる教育費」を前提としたマネープランを考える必要があります。

とくに、晩婚夫婦の場合は「子どもが大学を卒業する22歳の時点で自分達は何歳か」を考えて貯蓄しておかないと定年後の人生設計にも大きな影響を与えます。

晩婚化とリンクする出産年齢の変化

内閣府の「令和4年版少子化社会政策白書」によると、2020年の平均初婚年齢は夫が31.0歳、妻が29.4歳です。20年前の2000年では夫が28.8歳、妻が27.0歳と男女ともに2歳ほど下回っていました。

晩婚化は出産時の母親の平均年齢にも影響を及ぼしています。

「2000年」出生時の母の平均年齢

  • 第一子 28.0歳
  • 第二子 30.4歳
  • 第三子 32.3歳

「2020年」出生時の母の平均年齢

  • 第一子 30.7歳
  • 第二子 32.8歳
  • 第三子 33.9歳

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出所:内閣府「令和4年版少子化社会政策白書」

出所:内閣府「令和4年版少子化社会政策白書」

このように、平均初婚年齢がこの20年で2歳ほど上がっているため、当然ながら出産時期の年齢も上がってきています。

全体的に晩婚傾向や出産が30代に入ってからという傾向が強まっていますが、これはあくまでも平均値です。30代後半や40代での結婚や結婚、出産する夫婦もいます。

結婚や出産は人生における大きな転機でもあり、働き方やお金の使い方を見直すイベントです。とくに子どもの教育費は成長するほど金額が大きくなり、ピークは大学進学から卒業の「誕生から約20年後」になります。

高校と大学卒業までにかかる学費

日本政策金融公庫が2021年12月に発表した「令和3年度『教育費負担の実態調査結果』」(全国4700人の64歳以下の男女、かつ、高校生以上の子供を持つ保護者を対象)によると、高校入学から大学卒業までの7年間にかかる子供1人当たりの教育費用(入学・在学費用)は942万5000円になりました。

詳しくみてみると高校3年間で子ども一人にかかる学費は261万8000円です。この教育費には塾代といった家庭教育費も含まれています。大学4年間でかかる学費の平均は680万7000円という結果になりました。

さらに、国公立と私立大学文系、私立大学理系の進学コース別で「高校から大学卒業までの7年間」に分けてみると以下の通りになります。

  • 国公立大学:743万円(在学費用414万円+入学費用67万2000円+高校の費用261万8000円)
  • 私立大学文系:951万6000円(在学費用608万円+入学費用81万8000円+高校の費用261万8000円)
  • 私立大学理系:1083万4000円(在学費用732万8000円+入学費用88万8000円+高校の費用261万8000円)

最も学費が抑えられる国公立大学に進学しても、高校からの7年間で743万円かかることになります。

通塾費用も考慮する

ご存知の通り、教育費がかさむのは純粋に高校と大学のみだけではありません。中学受験する場合、小学3年生から4年生頃に塾通いをスタートするのが一般的です。また、受験せずに学区の中学に進学する場合でも小学校高学年や中学校入学後に塾通いをする子が増えるため、「塾の月謝」が発生します。

さらに、受験学年になると月謝が高くなり季節講習会の日数も増加。驚くような金額になることもしばしばです。子どもが大学進学を希望する場合、一番お金が必要となるのは大学入学前後からですが、現実はそれだけではありません。

長い目で見ると、小学校中学年または小学校高学年から教育費が徐々に増えていきます。塾通いをし念願かなって志望する私立中学に入学した場合でも、3年間で約420万円かかります(文部科学省「平成30年度学習費調査」)。

一般的に「子ども一人を大学卒業までにかかる教育費は1000万円」と言われていますが、全て小中高が公立で、大学も国立大学に進学しても1000万円以内になることは現実的に厳しいのです。

子どもの教育に熱心だと、どうしても小さい頃から色々な習い事をさせてあげたくなります。しかし、親として大切なのは「様々な習い事をさせる」以上に「子どもの望む進学を叶えさせる」ことです。

「大学進学ではこのくらいかかる」と切り取って考えるのではなく、子どもの頃からの習い事を含めて「どの程度かかるのか」「進学を諦めさせないために必要なお金の準備」を考えていくことが求められます。

20年後の働き方を見つめる

夫が40代または50代で子宝に恵まれた場合、定年直前から定年後に子どもが大学進学を迎えることになります。子どもの誕生は喜ばしいことですが、その年代から親の介護問題などにも直面することも増えます。

親の介護がひと段落した場合でも、子どもの教育費の捻出もあり夫婦の老後資金を貯める余裕がなかなか持てません。

大学進学までに枯渇しないよう備え、小学校や中学校は私立ではなく公立や国立など可能な限り学費を抑えられる進路を選択してみてください。

参考資料

中山 まち子