NYダウは▲1%下落、フェデックスなどの急落で輸送株は▲3%下落

2017年4月14日のNYダウ工業株30種平均(以下NYダウ)は、前週末比▲1%下落で終わりました。NYダウ輸送株20種平均の下落はこれより大きく、▲3%となりました。また、フェデックス(FDX)は▲6%の大幅な下げとなりました。

上昇率トップはP&G

NYダウ30銘柄のなかで、前週末比上昇率のトップ5社は次の通りです。

  1. プロクター・アンド・ギャンブル(PG)+1%
  2. マクドナルド(MCD)+1%
  3. ウォルト・ディズニー(DIS)+1%
  4. コカ・コーラ(KO)+0%
  5. ナイキ(NKE)+0%

消費者の生活必需品を中心に、外部環境に業績が左右されにくい銘柄が揃って値を保ったと言えます。

下落率トップはデュポン

次に、前週末比下落率のトップ5社を見ておきましょう。

  1. デュポン(DD)▲3%
  2. シェブロン(CVX)▲3%
  3. キャタピラー(CAT)▲3%
  4. アメリカン・エキスプレス(AXP)▲3%
  5. インテル(INTC)▲2%

化学、重機、エネルギー、金融、半導体など、景気動向や市況への影響の大きい銘柄の下落が目立ちます。

NYダウ、2万ドルの攻防か?

NYダウは20,453ドル25セントで先週を終えました。2017年3月1日に21,169ドル11セントの高値を付けた後じりじりと値を下げ、そこから約▲3%下落しています。そこで、NYダウが今後下げ続けた場合の節目の水準をチャートで確認したいと思います。

次の節目は2万ドルと考えられます。緑色の26週移動平均線の水準であることと、トランプラリーが一服した2016年12月中旬以降2017年2月上旬まで2万ドルを意識した株価形成になっていたためです。

2万ドルで価格が落ち着くとよいのですが、仮にこれを有意に下回り26週移動平均線も下回ると、次の節目は1万8千ドル台になります。この水準まで下落すると、トランプラリーの起点に株価が戻ることになります。このような展開になるとすれば、トランプ政権の経済政策への失望が広がる時だと思われます。

気になるゴールドマン・サックス株

さて、トランプラリーのなかで大きく上昇した銘柄にゴールドマン・サックス(GS)があります。トランプ政権の人材源としてムニューチン財務長官、コーン国家経済会議委員長などを輩出した同社の株価はこのところ軟調で、NYダウより一足早く26週移動平均のレベルまで下落しました。

同社株がトランプ政権の信任度を示す代理変数だとは思いませんが、26週移動平均で株価が踏みとどまるか、注目しておくべきでしょう。

椎名 則夫