夏至も過ぎ、梅雨が明けるといよいよ夏本番です。
サッカーではワールドカップに向け、盛り上がりを見せていますね。コロナ禍になる前は、定年後に海外まで応援に行くことを楽しみにしていた方も多いものです。
この夏に65歳を迎える方は、すでに定年退職を迎えた方や働き続ける予定の方などさまざまでしょう。コロナ禍で海外旅行は難しくとも、第二の人生に向けて計画を立てている方も多いと思います。
実は65歳の誕生日を迎える3カ月前に、「年金請求書」という書類が送られてきます。
これは公的年金を受給するのにとても大切な書類です。というのも、実は年金は申請制。請求しないと65歳になっても自動的に受給できないのです。
そこで今回は、年金を受け取るために必要な「年金請求書」について解説します。この夏65歳を迎える方は、ぜひ参考にしてみてください。
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1. 「年金請求書」の対象となる公的年金制度とは
日本の公的な年金制度は、国民年金と厚生年金の「2階建て」の構造になっています。
日本に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある「国民年金」は、図のように1階部分になります。年金制度のベースとなることから、基礎年金とも呼ばれますね。
そして2階部分には、公務員や会社員などが上乗せで加入する「厚生年金」があります。このように一部の人が2つの年金制度に加入する構造のため、「2階建て構造」と呼ばれるのです。
1.1 支給開始年齢は65歳だが例外あり
国民年金と厚生年金が支給されるのは、いずれも「原則」65歳からです。ただし繰上げ受給を選択すれば最大60歳まで前倒しでき、繰下げ受給を選択すれば最大75歳まで遅らせることもできます。
ただし、どちらも受給額に影響します。繰上げ受給では1カ月早めるごとに受給額が0.4%減額され、逆に繰下げ受給では、1カ月遅らせるごとに0.7%増額されます。