「2000万円問題」の落とし穴。老後の「経費」は結構かかる!
実は、この「老後2000万円問題」には、いくつか落とし穴があります。そのうちの「住居費」と「介護費用」について触れましょう。
住居費
一つ目は「住居費が低く設定されている」という点です。
この試算の元となった家計調査の結果では、持家世帯を前提として住居費が1万円台に設定されています。住宅ローンの返済金額は含まれていないため、ローンの支払いが退職後も続く世帯は、返済金額を考慮していく必要があります。
また、自宅を購入せず賃貸住宅に住む予定の方も、家賃が生涯かかることを考え、貯蓄の準備をおこなう必要があるでしょう。
介護費用
もう一つは「介護費用が含まれていない」という点です。
LIFULL介護のデータをもとに計算すると、5年間(平均的な入居期間)に必要となる費用(1人分)のトータルは、有料老人ホームの場合で約2000万円、サービス付き高齢者向け住宅で1000万円強でした(以下詳細)。
【有料老人ホームの場合】
- 入居時費用:594万円
- 月額費用:23万7000円
5年間費用の合計:2016万円
【サービス付き高齢者向け住宅の場合】
- 入居時費用:19万8000円
- 月額費用:16万8000円
5年間費用の合計:1027万8000円
※2022年6月21日時点
夫婦で入居した場合には、二人分として2000万円~4000万円ほどかかることになりますね。これを老後資金に上乗せして準備していく必要があります。
ずっと健康状態が続く場合や、身の回りの世話をしてくれる家族や親族がいる場合は、費用負担は少なくなるでしょう。
ただし、核家族世帯が進み、100年生きるといわれている今、介護が必要となる可能性は誰しもがあると考え準備しておきたいですね。
次は、今のシニア世代がどのくらいの老後資金を準備できているのかを確認していきます。