岸田政権の「貯蓄から投資へ」や「資産所得倍増プラン」の流れもあり、資産運用に対して興味を持つ人も多いのではないでしょうか。
政策の一つである「NISA(少額投資非課税制度)」。
NISA自体は制度であり、運用するものは基本的に投資信託や株式となります。投資信託といってもどれを選べば良いか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回はつみたてNISAに絞って、「実はやめておきたい」インデックス投資信託選びのポイント3つをお伝えします。
これからはじめる方は参考に、既にはじめている方は見直すきっかけにしてみてくださいね。
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1. つみたてNISAの商品は多岐にわたる
つみたてNISAは金融庁が厳選した213本の商品の中から自分で選びます。商品の内訳は以下の通りです。
- 指定インデックス投資信託:183本
- 指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ運用投資信託等):23本
- 上場株式投資信託(ETF):7本
出典:金融庁「つみたてNISAの対象商品」(2022年4月26日時点)
インデックスとは指標のことで、インデックス投資信託とは株価指数などの指標に連動した運用を目指す投資信託を指します。
通常、ファンドの運用対象は目標となる株価指数に採用されているのとほぼ同じ銘柄群で構成され、組み入れ比率も指数への影響度に応じた割合となります。
ベンチマーク(目安)となる主なインデックスは以下の通りです。
- 日本株式:TOPIXや日経平均
- 米国株式:NYダウやS&P500指数
- 世界株式:MSCI指数
インデックスファンドは対象の指数とほぼ同様の値動きをするため、価格の変動が分かりやすいのが特徴です。
たとえば、日経平均やNYダウといった有名な指数なら、ニュースで毎日耳にしますよね。値動きの傾向が掴みやすいため、初心者向けと言われています。
一方、アクティブ運用投資信託とはベンチマークを上回る運用を目指すもので、投資のプロが積極的に利益を狙うのが最大の違いと言えます。
運用方針や運用体制がそれぞれに異なり、個々の運用会社が創意工夫してインデックスファンドを凌駕するパフォーマンスを実現しようと努力していることが特徴です。そのため、手数料についてはインデックスと比べて高く設定されることが多くなります。
では、本題に戻り「実はやめておきたい」インデックス投資信託の3つのポイントをお伝えします。
2. 実はやめておきたいインデックス投資信託1.信託報酬が高いファンドは避ける
投資信託は、保有中に投資信託の運用や管理などにかかる「信託報酬」という手数料がかかります。
通常は年率何パーセントという形で表示されますが、投資信託の毎日の価格から日々、間接的に差し引かれています。
金融庁によると、つみたてNISAのインデックス投信の信託報酬は以下のように定められています。
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出典:金融庁 つみたてNISAについて(平成29年7月)
「国内資産であれば0.5%以下、海外資産であれば0.75%」と信託報酬は1%もかかりません。
これを見て0.5%以下の手数料ならそこまで大差ないのではと思いがちですが、信託報酬は保有している間ずっとかかります。
投資対象が同じインデックス投資信託なら、パフォーマンスはほとんど一緒です。運用成績の差に影響を与えるのは結局「信託報酬が高いか安いかだけ」というケースもあります。
たとえば、信託報酬が年率0.5%違うとどのくらいの差が出るのか、金融庁の公式ホームページでシミュレーションをしてみましょう。
条件は以下の通りとします。
- 投資金額:3万円(毎月積み立て)
- 期間:20年
- 想定利回り:5%
- 信託報酬:0.1%と0.6%を比較
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出典:金融庁 資産運用シミュレーション
- 想定利回り5%-信託報酬0.1%=実質利回り4.9%
- 最終積立金額:1218万9636円
3/3
出典:金融庁 資産運用シミュレーション
- 想定利回り5%-信託報酬0.6%=実質利回り4.4%
- 最終積立金額:1151万2004円
1218万9636円-1151万2004円=67万7632円
※本来、信託報酬は日々の基準価額から差し引かれますが、このシミュレーションでは想定利回りの5%から年率の信託報酬を差し引いた計算としているため、実際の数値とは異なる可能性があります。
同じ成績の投資信託であっても、信託報酬が年率0.5%違うだけで、20年後に約67万円もの差が出ることが分かります。
このように同じ指数に連動するインデックス投資信託なら、信託報酬は低い方を選ぶと良いでしょう。
3. 実はやめておきたいインデックス投資信託2.保守的過ぎるファンドも考えもの
つみたてNISAの大きなメリットは、通常20.315%運用益にかかる税金が非課税になる点です。
このメリットを最大限活かすには利益を出さなければ意味はありません。増える期待のあるものに投資をすることも検討しましょう。
投資をするのが初めての場合、「元本が割れるのは恐いからリスクが低いものを選ぼう」と考える方が多いのですが、必ずしもそれが正解ではありません。
運用の世界では「リスク」というのは、運用の「振れ幅」に対して使います。悪い意味で想像する方も多いのですが、プラスの振れ幅に対してもリスクという言葉を使います。
リスクが小さいということは、プラスの成果が出た場合も、その増える幅は小さく、利益も少なくなりますね。
どれだけ増えても非課税で受け取ることができる、つみたてNISAで運用するならば、しっかりと増やせるように、適切なリスクを取って運用すると良いでしょう。
多くの人の場合、毎月の貯金を銀行貯金と投資で分けて行っているのではないでしょうか。
銀行貯金で安定的な資産形成はできていると考えて、つみたてNISAでの運用には少しリスク性のある商品を取り入れてみるのも良いでしょう。
ただし、投資期間が長くとれない場合や、安定資産が少ない場合にはリスクを抑えたファンドを選ぶことが適切となることもあります。
自身の今ある資産と、これからの収入を考えたうえで必要なリスクを取りましょう。
4. 実はやめておきたいインデックス投資信託3.勧められただけで自分では内容がよくわからないファンド
今はネットやSNSを見ればつみたてNISAに関する情報が数多く載っています。
参考にするのは良いとしても「このサイトやこの人が勧めているから」「周りの人から言われたから」「残高が大きいし人気だから」と鵜呑みせず、まずはどういった投資対象なのか「運用方針、増え方や信託報酬」など一度自身で調べてから投資を行いましょう。
つみたてNISAの非課税期間は20年ありますね。つまり、その期間、運用し続けても自分で大丈夫だと思えるものを選ぶ必要があります。
運用をはじめると数年は成績が好調であっても、20年の期間を考えれば、山(上昇)もあれば谷(下落)もあるでしょう。
途中下がってしまい、その元本割れの期間が数ヶ月、数年と続くと、不安に駆られ、我慢できずに売却をしてしまう人が多くいるのも事実です。
下がった時こそ冷静に。
「自分はこの理由があるからこそ、この投資信託を選んだ」と振り返れるように、自身で投資信託の内容を抑えておきたいですね。理由がしっかりあれば、将来起こるかもしれない下落局面でも、きっと乗り切ることができるでしょう。
5. 【つみたてNISA】大切な資産は「自分で考え」「自分で育てる」
大切な資産だからこそ、ご自身で主体的に調べて選んでいきましょう。今回ご紹介したポイントも参考にしていただけると幸いです。
投資はあくまでも自己責任となります。投資信託は運用をプロに任せるといっても、利益を得るのも、損をするのも結果はすべて自分に返ってきます。
つみたてNISAは上手く使えば良い制度となります。受け身の姿勢ではなく、自分で調べて納得のいく商品に出会えるように行動していきましょう。
参考資料
齋藤 英里奈
