日本の航空会社は、JALこと日本航空(9201)と共にANAホールディングス(9202)の存在抜きに語ることはできないでしょう。そのANAの株価は3月以降下落していますが、JALのように年初来安値を更新するまでには至っていません。
今回はANAとJALの今後の展開について考えていきます。
2016年8月より上昇トレンドのANAの株価
ANAの株価は2016年8月より多少の上下はありながらも上昇を続け、2017年3月にいったん天井をつける形で下落しています。そして現在は、その下落の途中と見えなくもありません。現在の下落が押し目をつけに行っているのか、それとも本格下落の初動となるのかは分かりません。
しかし、日足チャートは下値を切り上げての上昇は崩れておらず、下値の切り下げなく株価が推移すれば、現在は押し目をつけている状態と言うことができます。
ANAとJALの業績推移比較
ANAの業績は下記のように推移しています。
2015年3月期 売上高1兆7,135億円、経常利益671億円、当期純利益392億円
2016年3月期 売上高1兆7,912億円、経常利益1,307億円、当期純利益782億円
2017年3月期(会社予想) 売上高1兆7,400億円、経常利益1,300億円、当期純利益80億円
2015年3月期から2016年3月期へ大幅な増益を果たしたANAですが、2017年3月期の業績はほぼ横ばいの予想です。一方でJALの業績予想は減収減益となっており、足元の売上高はANAがJALを上回っています。
国内線と国際線両方を手がける両社は、事業環境としてはほとんど差がありません。JALの株価が年初来安値を更新する一方、ANAの株価は下落が続くものの年初来安値を更新するほどでないのは、株式市場がANAの経営に対しJALよりも高い評価を与えていると考えることもできます。
なお、JALは2017年4月より破綻後の国交省の監視下を離れ、経営的には通常の状態に復帰しましたので、今後どのような動きになるか注視したいところです。
まとめ
JALは経営破綻し、ANAは生き残ったという点からも、ANA歴代の経営陣の経営手腕を伺い知ることができます。ANAは今後もその優れた経営手腕を発揮して、さらなる成長と株価上昇を果たすことができるのでしょうか。今後のANAの活躍に期待したいと思います。
LIMO編集部