年金の繰り下げ受給はアリか?
2022年4月より、年金の受給開始が75歳まで繰り下げられるようになりました。年金の受給を1ヶ月ずつ繰下げることによって、受給額が0.7%ずつ増えていきます。
日本年金機構の「年金の繰下げ受給」より、繰下げ増加率の早見表を確認してみましょう。
受給開始を70歳まで繰下げると受給率は42.0%、75歳まで繰下げると84.0%増加します。
受給率だけみるとお得なようにも感じますが、受給開始年齢を引き下げると、年金を受け取るまでの間は、生活費を自分で準備しなければいけません。
万が一、十分に年金を受け取る前に亡くなってしまった場合、「早くから受け取っておけばよかった」と後悔してしまうかもしれません。
そこで、損益分岐点をシミュレーションしてみます。
「◯歳まで生きた場合は、年金を◯歳から受け取っていたら最も多くもらえた」という点に着目して、試算をしてみます。
今回は年金月額を14万円としてシミュレーションをしていきます(1万円未満の端数は切り捨て)。
65歳から受給した場合の受け取り総額
- 70歳時点:840万円
- 75歳時点:1680万円
- 80歳時点:2520万円
- 85歳時点:3369万円
- 90歳時点:4200万円
- 95歳時点:5040万円
- 100歳時点:5880万円
70歳から受給した場合の受け取り総額
- 70歳時点:0円
- 75歳時点:1192万円
- 80歳時点:2385万円
- 85歳時点:3578万円
- 90歳時点:4771万円
- 95歳時点:5964万円
- 100歳時点:7156万円
75歳から受給した場合の受け取り総額
- 70歳時点:0円
- 75歳時点:0円
- 80歳時点:1545万円
- 85歳時点:3091万円
- 90歳時点:4636万円
- 95歳時点:6182万円
- 100歳時点:7728万円
シンプルなシミュレーションですが、上記の結果によると以下のような結果となります。
- 80歳まで生きた場合:65歳受給開始が最も多く受け取れる
- 85歳まで生きた場合:70歳受給開始が最も多く受け取れる
- 95歳まで生きた場合:75歳受給開始が最も多く受け取れる
平均寿命の問題もありますが、何歳まで生きるのかは誰にも予測ができません。
一つの参考として知っておくと良いでしょう。