日経平均株価は2万7000円台を回復、2カ月ぶりの高値圏
2022年6月3日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比347円69銭高の2万7761円57銭でした。4月5日以来およそ2カ月ぶりの高値水準です。
前日に米株式相場が上昇したことから、日本株も買われる展開となりました。ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンなどの値がさ株も指数を押し上げました。
ただし、同日に米雇用統計の発表を控えていたことから、買い一巡後は利益確定売りなども出ました。
今週の動きはどうなるでしょうか。
3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比349ドル37セント安の3万2898ドル91セントで終えました。同日発表された5月の米雇用統計では、雇用者数の増加幅が市場予想を上回りました。
ただし、これを受けて、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制のために、利上げなど積極的に金融引き締めを行うのではないかという警戒感が広がり、売られる展開となりました。
10日には5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。ここでも物価上昇の傾向となると、金融引き締めにつながるとの懸念から株式市場に下値圧力となります。
ただ、このところ難しいのは、米株の上昇や下落に対して、日本株が連れ高、連れ安となっていないことです。むしろ、逆行するような動きになっています。週初から連れ安とはならないかもしれません。
ファーストリテイリングは2日、「ユニクロ」の5月の国内既存店(直営店、EC含む)の売上高を発表しましたが、前年同月比17.5%増と2カ月連続で増収でした。他の業態でも、消費が上向いている企業も多いため、好業績の銘柄を物色していく戦略がいいでしょう。
一方で、ロシアのウクライナ侵攻にともない、原油価格の上昇が続いていることから、影響を受ける企業も出てきそうです。中国・上海での都市封鎖(ロックダウン)が解除されました。中国市場に進出している企業には追い風になるでしょう。