子育て世帯の悲鳴「年収1000万円でも苦しい」

全国平均に比べ、年収水準の高い東京であっても「生活は苦しい」という声があがります。その主な原因は大きく3つあります。

1. 税金面

額面が1000万円でも、税金や社会保険料が引かれると手取りはかなり減ります。日本の税制上、給与があがるほどに税率があがります。

年収があがるほどに手取りの伸びは鈍るため、特に年収1000万円を少し超えたラインでは、思った以上に手取り増が実感できません。

また共働きか片働きかでも税負担が変わるので、世帯によって負担が違う点に不満の声があがりやすいのです。

2. 児童手当

日本には公的補助がいくつかありますが、所得制限とセットになることがほとんどです。所得制限にあたるのが「年収1000万円」付近になることが多く、負担増の原因になります。

その代表格が児童手当。児童手当では、目安年収が960万円を超えると金額が5000円に下がります。さらに2022年10月からは、目安年収1200万円超の世帯で児童手当そのものが廃止になります。
※扶養人数により、目安となる年収は変わります。

税金を納めているにもかかわらず、平等に補助が受けられない現状に対し、不満の声をあげる方も少なくありません。

3. その他の助成制度

さらに「高等学校等就学支援金制度」や自治体独自の「乳幼児医療費助成制度」でも年収1000万円の付近がラインになることから、「年収1000万円でも生活は苦しい」という声があがります。

「乳幼児医療費助成制度」については、所得制限がない自治体もあります。しかし東京の一部の自治体では所得制限を設けるところもあり、自治体格差を感じる方も多いです。