株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場をさらに深く理解することができる。今回は、東証33業種の2017年3月31日から4月6日における株価動向を振り返る。

業種別振り返り-ディフェンシブ色の強い1週間

今週は、株価指数動向で上昇したセクターはなく、情報・通信業は横ばいとなった。

一方、下落した32業種の中で最も下落率が大きかったのは、証券、商品先物取引業、鉄鋼、銀行業の3業種。

ディフェンシブ色の強いマーケットを背景に、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)などの証券、商品先物取引業、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)などの銀行業が値を下げた。

また、世界の鉄鋼生産の約50%を占める中国の過剰生産問題が解消されない中、新日鐵住金(5401)、JFEホールディングス(5411)などの鉄鋼株も軟調となった。

今後のマーケット見通し

今週は全体に軟調な相場展開で、ディフェンシブ色の強いマーケットであった。特に、米中首脳会談を控えリスク回避の動きが強まった模様。

4月から5月にかけて2017年3月期決算企業の決算発表が数多く予定されている中、米国がシリアにミサイル攻撃を行ったとの報道を受けて円高が進行していることから、日本のマーケットは調整色の強い相場展開となりそうだ。

出所:SPEEDAおよび東証で取得したデータをもとに筆者作成

岡野 辰太郎