「健康と収入」はどれくらい関係するのか

残念ですが、実際に健康格差は存在します。

貧しい発展途上国と日本やアメリカなどの先進国を比較しても、労働環境や食事、医療機関には大きな違いがあり、健康に大きな影響を与えるのは一目瞭然です。

さらに、同じ先進国内であっても健康格差は存在します。所得が高い人と、そうではない人の寿命を比べると、所得が高い人の方が寿命が長いというイギリスの調査結果もあります。

そして、この研究結果によると、健康格差は拡大傾向が見られました。

裕福層と貧困層の寿命を比べると、女性の場合2001年は6.1歳の違いがありましたが、2016年には7.9歳も寿命が違いました。所得格差により、約8年間も寿命が違い、その違いは拡大している傾向が見られたのです。

日本では、野村総合研究所が2020年10月~11月に、全国の企業のオーナー経営者(主要株主かつ代表者)を対象に行った「NRI富裕層アンケート調査」では、コロナ禍に健康への関心が高まったという富裕層も増えています。

出典:NRI「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」