人生100年時代を迎え、働く高齢者は今後増えていきます。年金の受給開始の引き上げも議論に上がる中で、高齢者が働きやすいように支援する環境の整備も重要な課題です。

そこで今回は定年後の60代にフォーカスして、高齢者の働き方や生活について見ていきます。

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1. 【公的年金】厚生年金や国民年金の平均受給額は月いくらか。私的年金も

ここからは、公的年金・私的年金の受給額を同調査からチェックしていきましょう。

1.1 公的年金の受給額1. 厚生年金

男性

  • 60~64歳:7万4100円
  • 65~69歳:12万8200円

女性

  • 60~64歳:3万7200円
  • 65~69歳:7万5300円

※この平均額は、特別支給の老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金を含みます。

1.2 公的年金の受給額2. 国民年金

男性

  • 60~64歳:6万2200円
  • 65~69歳:6万4400円

女性

  • 60~64歳:4万9400円
  • 65~69歳:5万9500円

※この平均額は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金、寡婦年金を含みます。

1.3 私的年金の受給額1. 個人年金

この平均額には、個人型確定拠出年金を含みます。

男性

  • 60~64歳:6万4700円
  • 65~69歳:5万4500円

女性

  • 60~64歳:4万7000円
  • 65~69歳:5万2400円

1.4 私的年金の受給額2. 国民年金基金

男性

  • 60~64歳:3万7000円
  • 65~69歳:5万2300円

女性

  • 60~64歳:1万2900円
  • 65~69歳:4万5600円

1.5 私的年金の受給額3. 企業独自の退職年金

厚生年金基金、確定給付年金、確定拠出年金などです。

男性

  • 60~64歳:6万6600円
  • 65~69歳:6万5600円

女性

  • 60~64歳:1万800円
  • 65~69歳:2万3000円

1.6 私的年金の受給額4. 共済年金

男性

  • 60~64歳:9万9100円
  • 65~69歳:11万5400円

女性

  • 60~64歳:5万6700円
  • 65~69歳:7万2400円

なお、厚生労働省の「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2020年度)によると、

  • 厚生年金保険(第1号)の平均年金月額:14万4366円
  • 国民年金の平均年金月額:5万9040円

2. 60代で働く人の割合は6割。労働時間はどのくらいか

60代の働く人はどれぐらいで、賃金はいくらなのでしょうか。独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の「60代の雇用・生活調査」から、みていきます。

60代で仕事をする人の割合は?1/4

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199 60代の雇用・生活調査」

1/4

 

60代の就業状態ですが、「収入を伴う仕事をしていた人」は59.0%で、過半数の人が就業していました。

年齢層別にみると、60〜64歳層が70.2%であるのに対して、65〜69歳層は50.1%と20ポイント程度低くなっています。

男女別には男性が69.1%、女性が49.3%で20ポイント程度男性の方が高くなっています。

2014年調査との比較では、全体的に就業割合は上昇。年齢層別では60~64歳層が8ポイント程度上昇し、男女別では男女ともに4ポイント程度上昇しています。

このうち、会社や団体などに所属している人は76.5%となっています。

また平均勤務日数(6月中)は18.8日、1日当たりの平均労働時間は6.9時間です。

3. 60代で仕事をしている人の雇用形態は?男女別の傾向も

ここからは、60代で働く人の雇用形態を眺めていきます。

雇用形態についてみると、正社員は2割程度(21.4%)であり、パート・アルバイトが
40.7%、嘱託が15.2%、契約社員14.4%などとなっています。

ただし、男女別に大きな違いがみられました。

男性は、正社員の割合(29.3%)の方がパート・アルバイトの割合(22.4%)より高くなっています。

一方で女性では、正社員(11.0%)の割合が低い一方、パート・アルバイトが64.9%と3分の2近くを占めています。

年齢層別にみると、60~64歳層に比べ65~69歳層では正社員の割合が26.4%→14.6%で12ポイント程度低くなりました。

これに代わりパート・アルバイトの割合が14ポイント程度高くなっています(34.6%→49.0%)。

2014年調査と比べると、男性の60~64歳層の正社員(31.7%→37.1%)と65~69歳層の契約社員(12.1%→22.5%)で割合が高くなっています。男性の定年後の労働が徐々に広まりつつあることがわかります。

4. 【60代】高齢期のキャリアのために行ったこと「特になし」6割超に

全ての調査対象者に、高齢期のキャリアを意識して行った職業能力開発や転職準備等について複数回答で尋ねたところ、「特に取り組んだことはない」が 65.4%と最も多くなりました。

2/4

 

これに「資格を取得するために自分で勉強したことがある」(12.8%)、「資格取得について調べたことがある」(7.6%)、「資格取得を目的とはしないが、自分で勉強したことがある」(7.6%)がつづきます。

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2014年調査と比較すると、選択肢を一部変更しているため単純に比較はできないが、「特に取り組んだことはない」が最も多い傾向に変化はありません。

5. 60代世帯の働く理由「経済上の理由」が7割超に

ここでは、2019年6月時点の収支をみていきます。

2019年6月の世帯収入は平均35万5000円、生計費は平均25万6000円で、約10万円の黒字となりました。

このデータをみると、老後の生活は意外と余裕があるかもしれません。しかし、年金も今後は減額される可能性も議論になっており、安心はできません。

同調査では、60歳以降の就業者が回答した「働いた理由」のうち、最も多かったのが「経済上の理由」で76.4%と群を抜いて多かったのです。

次いで「いきがい、社会参加のため」(33.4%)、「時間に余裕があるから」(22.6%)などとなりました。

年齢層別にみると、60~64歳層に比べ65~69歳層では「経済上の理由」の割合が低くなり、「時間に余裕があるから」をはじめ他の理由が多くなっています。

また、男女別には、「健康上の理由」は男性の方が多く、「いきがい、社会参加のため」などは女性の方が多くなりました。

6. 65歳以降も「働きたい」半分を超える

同資料では、60~64歳で働いている人を対象に、65歳以降の働く予定を調査しました。

それによると、「採用してくれる職場があるなら、ぜひ働きたい」が30.5%、「すでに働くことが(ほぼ)決まっている」が25.6%、「まだ決めていない。わからない」が27.2%、「仕事はしたくない。仕事からは引退するつもり」が7.0%などとなりました。

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65歳以降も働きたい人が一定数いることがわかります。

また、2014年調査と比較すると、「採用してくれる職場があるなら、ぜひ働きたい」(13.5%→30.5%)と「すでに働くことが(ほぼ)決まっている」(15.9%→25.6%)の割合が大きく上昇。

一方、「まだ決めていない。わからない」(31.4%→27.2%)、「仕事はしたくない。仕事からは引退するつもり」(11.7%→7.0%)の割合は低下しています。ちなみに、男女とも同じ傾向であり、高齢者の雇用が浸透してきていることがわかります。

老後の生活の基盤となる資金を作るのはもちろん、健康のためにも働きたいと考えている人が多いのかもしれません。豊かな老後を過ごすためにも、心身の健康を維持することは重要であるといえそうです。

参考資料