4. 厚生年金25万円以上あっても老後の生活費は不安

皆さんは一昨年に話題になった老後2000万円問題をご存じでしょうか。

この問題をもとに、老後生活費が実際にどれくらい不足するのかを見ていきましょう。

金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料によると、老後2000万円問題は以下のデータが根拠です。

4.1 【高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)】

  • 実収入(主に年金):20万9198円
  • 実支出(主に食費):26万3718円

月々の赤字額=約5.5万円

老後必要額=5.5万円×12ヵ月×30年(老後30年と仮定)=1980万円 ※約2000万円

ここで重要なのは、あくまでもこの計算式で求められる金額は「必要最低限の老後生活費」だということです。

ここに、介護費用や余裕生活費を加えると金額が異なってきます。

また公益財団法人生命保険文化センターのデータによると、ゆとりある老後生活を送りたい場合は、月々生活費が36.1万円必要だという結果も出ています。

こうなると、先程見ていただいた厚生年金が25万円以上の比較的裕福な世帯であっても、老後は年金のみで安心とはいえません。