老後2000万円問題とは何だったのか
まずは2019年に話題となった「老後2000万円問題」をおさらいしましょう。
老後2000万円問題とは、夫婦2人で月に5万5000円赤字となり、老後を30年と仮定した場合、約2000万円が不足するという計算です。
ただし、これは2017年の総務省「家計調査」をもとに試算されています。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」によれば、65歳以上の夫婦のみ無職世帯の家計収支は以下の通り。
65歳以上の夫婦のみ無職世帯の家計収支
実収入:23万6576円(うち社会保障給付:21万6519円)
消費支出:22万4436円
- 食料:6万5789円
- 住居:1万6498 円
- 光熱・水道:1万9496円
- 保健医療:1万6163円
- 交通・通信:2万5232円など
非消費支出:3万664円
月の収支:▲1万8525円
2021年の65歳以上・夫婦のみ無職世帯の月の赤字は約2万円です。
実際には、収入も支出もご家庭により差が大きいでしょう。たとえば上記は、年金と考えられる社会保障給付が約21.6万円です。夫婦の加入していた年金や期間、納めた保険料により、受給額はさまざまです。
同様に、たとえば住居費は1万円台となっているため、賃貸であればさらに支出が増えます。
また「老後2000万円問題」には旅行や趣味の費用、リフォーム代、身内との付き合い、介護費用などは入っていません。
実際には2000万円以下で済む人もいれば、2000万円以上必要な方もいるでしょう。