社会保障関係費

歳出の中で一番費用を費やしているのが社会保障関係費です。社会保障とは、私たちが安心して生活していくために必要な「医療」「年金」「福祉」「介護」「生活保護」などの公的サービスのことです。

社会保障給付費は年々増加しており、将来推計の試算では、令和7年には140兆円を超える見通しです。

<社会保障給付費の推移>
 

出典:国税庁「[国の財政] 歳出~社会保障関係費~ | 税の学習コーナー」より抜粋

社会保障制度の基本は保険料による支え合いですが、保険料のみでは現役世代に負担が集中してしまうため、税金や借金によって補填しています。

<社会保障の支出内訳>

  • 医療(12兆円)‥ケガや入院をしても少ない自己負担で治療を受けられるように支援
  • 年金(13兆円)‥年金の一部を国が負担し、老後の生活を支援
  • 介護(3兆円)‥原則1割の自己負担で介護サービスを受けられるよう支援
  • 生活保護(4兆円)‥生活に困っている人などが最低限度の生活を送れるよう支援
  • 子ども・子育て(3兆円)‥保育所の整備や子育て世代への給付金など、子どもを安心して生み、育てることができるよう支援

※財務省「国の財政を考えよう(3. 社会保障支出)」参照

国債費

国債費とは、国債の返済や利子の支払い(元本+利子)のための費用です。税収だけでは足りないため、国債を発行して借金をすることで財政を維持しています。

歳出のうち2割強をこの国債費に充てていますが、国債残高は積み上がる一方で2022年度末には1026兆円に上ると見込まれています。

出典:財務省「日本の財政を考える/どのくらい借金に依存してきたのか」より抜粋

地方交付税交付金等

地方公共団体(都道府県や市区町村)は「教育・警察・消防・環境衛生・生活保護」などの公的サービスを行うため地方税を集めていますが、その地域の経済状況などによってそれぞれ財政力に違いがあります。そこで、国が地方公共団体の財政力を調整するために支出するのが「地方交付税交付金等」です。

公共事業関係費

公共事業関係費は「道路や港湾、住宅や下水道、公園、河川の堤防やダム」など、社会経済活動や国民生活などの基盤となる施設の整備に使われます。

文教および科学振興費

教育や科学技術の発展のために使われる費用です。教科書の配付や国公立大学法人・私立学校の援助や、公立小・中学校の教員の給与などの3分の1を負担している「義務教育費国庫負担金」宇宙開発や海洋開発などの科学技術の振興のための「科学技術振興費」などに使われています。

防衛関係費

戦争や災害が起きた際、日本の国民や領土を守る役目がある自衛隊の運営に使われています。

経済協力費

開発途上国に資金援助をして、橋や道路を整備したり、子どもたちが医療や教育を受けられるように支援しています。このような国際社会への資金の提供を「政府開発援助(ODA)」といいます。日本の2021年のODA実績(暫定値)は、主要国の中で米国、ドイツに次ぐ3番目となっています。