【65歳でリタイア】安心できる貯蓄の判断は難しい
先ほどの1カ月の収支は平均額になりますが、平均でも月に約2万円の赤字です。年にして24万円、老後を30年と仮定すれば、生活費だけで平均720万円の貯蓄が必要です。
その他にセカンドライフを楽しむ旅行や趣味代、リフォームや病気・介護をした時の費用となると、老後に必要な金額が増加。今後、物価が上がる可能性も考えるとさらに必要でしょう。
明治安田生命が行った「家計」に関するアンケート調査によれば、老後の不安が解消される貯蓄額は平均3951万円です(全国の20~79歳の既婚男女1620人のうち、20代~50代の「老後に不安を感じる」人のみ回答・2022年4月25日公表)。
貯蓄が約4000万円あれば安心と考える方が多いようですが、現実は難しいですよね。
老後への不安の対処法としては、金額が多いからこそなるべく早いうちから準備することがカギとなります。仕事を長く続ける他に、公的年金を増やす方法を考える(厚生年金への加入や繰下げ受給など)、私的年金(個人年金保険やiDeCoなど)で備える、貯蓄に運用を取り入れるなどの方法があるでしょう。
現代は老後について1つの方法だけの対処では厳しい時代です。さまざまな手段を考えて、早いうちから備えていきましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 明治安田生命保険相互会社「― 明治安田生命 「家計」に関するアンケート調査を実施 ―約9割が物価高の影響を危惧!最も影響を感じる費用は「食費」!貯蓄額増加の影響か!?夫のおこづかいが3年ぶりの増加!脱“巣ごもりGW”の兆しあり!?GWの予算は昨年の1.4倍に!」
宮野 茉莉子