65歳以上「リタイヤ夫婦」みんなの貯蓄額は平均いくらか

では実際に65歳以上でリタイヤを迎えている夫婦の場合、貯蓄額は平均していくら保有しているのでしょうか。

ここからは2022年5月10日に公表されたばかりの総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、65歳以上・無職世帯の貯蓄額と、貯蓄の内訳を見ていきます。

65歳以上・無職世帯(二人以上世帯)の現在貯蓄高

  • 平均値:2342万円

2020年度に比べ50万円(2.2%)の増加で、2年連続で増加しています。新型コロナウイルスの影響もあり、貯蓄の意識が高まっている可能性もあります。

ただし同資料では平均値の記載しかないため、仮に大きな値があれば引っ張られている可能性は否定できません。

例えば65歳以上・二人以上世帯の全体(無職世帯だけでなく勤労世帯も含む)では貯蓄額平均が2376万円、中央値では1588万円です。

中央値とは値を大きい順(もしくは小さい順)に1つずつ並べ替えたとき、真ん中に来る数字のこと。

両者に差があることから、無職世帯でも「一部のお金持ち」が平均値を押し上げているかもしれない点に、留意する必要があります。
 

65歳以上・無職世帯(二人以上世帯)「貯蓄の内訳」

「貯蓄」とは銀行の預貯金だけを指すわけではなく、保険や株式なども含みます。参考までに貯蓄額2342万円の内訳も確認しましょう。

総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)」

 

 ・通貨性預貯金:623万円(26.6%)
 ・定期性預貯金:924万円(39.5%)
 ・生命保険など:403万円(17.2%)
 ・有価証券:388万円(16.6%)
 ・金融機関外:4万円(0.2%)

2020年度に比べて、唯一割合が上がっているのは有価証券です。なんと11.5%も増加したことがわかりました。

有価証券には株式や投資信託などがあります。

今の65歳以上というと、いわゆるバブル期を過ごし「銀行に預けるだけでお金が増えた」という体験をした世代も含まれます。

そうした世代であっても、積極的に資産を運用に回しているのですね。