2. 商船三井の株式投資で高いリターンを上げ、FIRE夢見る投資初心者
コロナ禍をきっかけにネット証券の口座開設数が増加する中、投資初心者の方で、商船三井への投資で今回の大きなリターンを上げたという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者がこれまで投資相談を多く受ける中、投資をし始めた頃に大きなリターンを上げた人の中には、株式投資は簡単に儲かるものと認識し、「過剰に楽観的な未来を描く」「注意力が落ちる」といったケースもそれなりに見受けられました。
確かに、始めたばかりで、知識や経験の積み上げが浅い中で大きなリターンを上げれば、そのような感覚となるのも仕方ないのかもしれません。
しかし、株式投資とはもともとハイリスクな投資。
基本的には株価の上げ下げと戦いながらリターンを積み上げる投資です。
そのため、「たまたま上昇局面で買ったから高いリターンを得た」というケースも当然考えられ、大きな含み益を上げた後は、下落局面がいつか来ると想定し、「いつ売るか?」を考えることが重要となってきます。
つまり、株式投資で長期的にリターンを上げるには、買い時・売り時を判断する知識・感覚が重要ということです。
投資初心者でいきなり高いリターンを上げた人は、この出口部分の見方が甘いケースがそれなりにある印象です。
商船三井のケースで言えば、「株価を注意深く見ていなくても、来年・再来年とまた倍々ゲームで株価が上昇する」という見立てを安易に持つということになります。
「株価は、放っておいても好調に上がり続けるもの」という認識でいると、いつの間にか下落局面に入り、上昇幅が減ってしまった、または全てなくなってしまったという事態に陥る可能性もあります。
平たく言えば「浮かれない」「勝って兜の緒を締める」姿勢が重要ということになります。
執筆者
1991年生まれ。新潟県新潟市出身。2022年に株式会社モニクル傘下の株式会社ナビゲータープラットフォームに入社し、現在はメディア事業部・メディアグロース企画推進室マネージャー。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」を中心に、多くの読者の方に幅広いコンテンツを届けるための戦略立案に従事している。
それ以前は、LIMO編集部にてアシスタント・コンテンツマネージャー(ACM)として従事。第一報として報道されるニュースを深堀りし、読者の方が企業財務や金融に対する知的好奇心を満たしたり、客観的データや事実に基づく判断を身に付けられたりできる内容の記事を積極的に発信していた。
入社以前は、株式会社フィスコにて客員アナリストとして約20社を担当し、アナリストレポートを多数執筆。また、営業担当として、IRツール(アナリストレポート、統合報告書、ESGレポートなど)やバーチャル株主総会サービス、株主優待電子化サービスなどもセールス。加えて、財務アドバイザーとしてM&Aや資金調達を提案したほか、上場企業向けにIR全般にわたるコンサルティングも提供。財務アドバイザリーファームからの業務委託で、数千万~数十億円規模の資金調達支援も多数経験。
株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)、オリックス株式会社でも勤務し、中小・中堅企業向け融資を中心に幅広い金融サービスを営業した。株式会社DZHフィナンシャルリサーチでは、日本株アナリストとして上場企業の決算やM&A、資金調達などのニュースと、それを受けた株価の値動きに関する情報・分析を配信。IPOする企業の事業・財務を分析し、初値の予想などに関するレポートを執筆。ロンドン証券取引所傘下のリフィニティブ向けに、週間・月間レポートで、日本株パートを執筆。経済情報番組「日経CNBC」にて毎月電話出演し、相場や株価の状況も解説していた。
新潟県立新津高等学校を経て、2013年に慶応義塾大学商学部を卒業。学部では、岡本大輔研究会にて企業評価論、計量経営学を専攻していた。
最終更新日:2023/11/03