2. 商船三井の株式投資で高いリターンを上げ、FIRE夢見る投資初心者
コロナ禍をきっかけにネット証券の口座開設数が増加する中、投資初心者の方で、商船三井への投資で今回の大きなリターンを上げたという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者がこれまで投資相談を多く受ける中、投資をし始めた頃に大きなリターンを上げた人の中には、株式投資は簡単に儲かるものと認識し、「過剰に楽観的な未来を描く」「注意力が落ちる」といったケースもそれなりに見受けられました。
確かに、始めたばかりで、知識や経験の積み上げが浅い中で大きなリターンを上げれば、そのような感覚となるのも仕方ないのかもしれません。
しかし、株式投資とはもともとハイリスクな投資。
基本的には株価の上げ下げと戦いながらリターンを積み上げる投資です。
そのため、「たまたま上昇局面で買ったから高いリターンを得た」というケースも当然考えられ、大きな含み益を上げた後は、下落局面がいつか来ると想定し、「いつ売るか?」を考えることが重要となってきます。
つまり、株式投資で長期的にリターンを上げるには、買い時・売り時を判断する知識・感覚が重要ということです。
投資初心者でいきなり高いリターンを上げた人は、この出口部分の見方が甘いケースがそれなりにある印象です。
商船三井のケースで言えば、「株価を注意深く見ていなくても、来年・再来年とまた倍々ゲームで株価が上昇する」という見立てを安易に持つということになります。
「株価は、放っておいても好調に上がり続けるもの」という認識でいると、いつの間にか下落局面に入り、上昇幅が減ってしまった、または全てなくなってしまったという事態に陥る可能性もあります。
平たく言えば「浮かれない」「勝って兜の緒を締める」姿勢が重要ということになります。