実際に「男性育休」を取得した家族の本音とは

制度の概要に触れる前に、実際に「父親として」育休を取得した方の本音をご紹介します。

2人目の出産を機に1ヵ月半の育休を取得したAさんと、自営業の妻の代わりに1ヵ月の育休を取得したBさんの事例を確認しましょう。

Aさんによると、普段から職場の雰囲気は良く、有給は取得しやすい職場環境だったようです。ただし育休中に代わりの人員が補充されることはありませんでした。

女性が育休を取得する場合、人員が補充されることが多いです。期間にもよりますが、ここに「男性育休」の1つ目のハードルがあるように感じられますね。

育休を取るにあたり、やはり不安事項は「給料の減少」でした。そのため育休期間については「ボーナスや給料の低下幅」を計算して決めたそうです。

育児をする上で「大変な時期」は個々で違うため、「できればこの期間までは取得してほしい」という希望が母親にはあるのではないでしょうか。

しかし実際には世帯収入を考え、どこかで落とし所を探るのが現実解となります。

またBさんのケースでは、妻が自営業のため「育休」という制度がありません。収入の心配はあったものの、初めての育児を一緒に行いたいという気持ちから、育休取得に至りました。

ただしBさんの会社でも人員補充は見込めないため、1ヵ月が限界だったようです。

同じく不安事項は「収入減」について。育休中は給与の約3分の2が支給されるとはいえ、夫婦2人とも収入が減るというのは、やはり経済的な不安が大きいといえるでしょう。

男性育休のメリットは複数

一方で、取得したときに感じたメリットは複数ありました。まとめて見てみましょう。

  • 家族の時間が増える
  • 子どものことだけ考えられる
  • 上の子に愛情を注げたので、赤ちゃん返りの予防に一役買った
  • 母親の大変さに気づけた
  • 子どもの「初めて」を一緒に経験できた
  • 誕生日などのイベント準備に時間が割ける
  • 家事スキルがあがったので復職後も協力しやすくなった

上記のように、メリットも複数あります。「給料減」や「職場の人に気を遣う」というデメリットがある一方で、家族にとってのメリットは高いようです。

では家族の「本音」はどうでしょうか。