4. 吉野家の株価は静かな上昇が続く

中期経営計画の出ばなを役員の不適切発言でくじかれる形となった吉野家ですが、株価は静かな上昇を続けています。

2021年の吉野家の株価は年間を通じて着実な上昇が続きました。

2021年始め2,000円を割れていた株価は、2022年に入り2,300~2,400円台を前後する状態が継続中です。

吉野家の株価は役員の不適切発言が報じられた後の2022年4月18~19日は続落しました。

しかし2,300円台のレンジは維持しており、不適切発言の株価に対する影響は限定的です。

中期計画の実行により株価上昇を今後も継続できるのか、という点が注目されます。

5. 吉野家は「牛丼とから揚げの店」に脱皮して再成長を実現できるのか?

吉野家は中期経営計画の柱として吉野家の店舗を「牛丼とからあげの店」とする計画を押し出しています。

しかし中期経営計画の最初の一手でもあった親子丼の投入は、役員の失言で出ばなをくじかれてしまいました。

吉野家はコロナ禍の中で赤字計上はあったものの、これまでのテイクアウトの取り組みなどにより、外食チェーン店の中ではアフターコロナに向けて早期に体制の立て直しができた1社といえます。

その反転攻勢の狼煙としての中期経営計画だった訳ですが、役員の失言という変な部分にスポットライトが当ってしまいました。

幸先よいスタートとはならなかった吉野家の中期経営計画ですが、吉野家の店舗を「牛丼とからあげの店」とする計画が成功し再成長は実現できるのでしょうか。

今後の吉野家の業績及び株価の行方が注目されます。

参考資料

石井 僚一