社会保険に加入することになったら?「メリット・デメリット」

先述のとおり、これから勤務先の規模、雇用期間などが該当すれば、健康保険・厚生年金保険に加入することになるかもしれません。そうなった場合の、メリット、デメリットを考えてみましょう。

健康保険や厚生年金保険に加入する場合のメリットは2つ

①    老後に受け取る年金が増える

扶養内のままだと、65歳から受け取る年金は1階(基礎年金部分)だけです。しかし、厚生年金保険に加入すると、年金は1階(基礎年金部分)に加え、2階(報酬比例部分)も支給されます。

公的年金には障害年金、遺族年金などもあり、万が一のとき、保障が充実します。

②    「傷病手当金」や「出産手当金」の対象になる

健康保険に加入することで、「傷病手当金」や「出産手当金」などが受け取れます。

傷病手当金は、業務外の病気で働くことができない場合、その働くことができなくなった日から起算し、3日経過した日から最長1年6ヵ月間、給与の3分の2相当が支給されます。

出産手当金は、出産のため会社を休み、給与が支払われないとき、産前42日・産後56日までの間、給与の3分の2相当が支給されます。

健康保険や厚生年金保険に加入する場合のデメリット

今まで、年収が130万円で配偶者の扶養に入っていた人でも、2022年10月からは「従業員が101人以上」、「雇用期間の見込みが2ヵ月以上」という条件に該当すれば健康保険や厚生年金保険に加入することになります。

その場合、前述のメリットはもちろんあるかもしれませんが、その分、今までと同じ手取り収入が得られないことになります。

一方、健康保険や厚生年金保険に入らず、配偶者の扶養を継続する場合は、年収106万円以下にしなければなりません。

この場合も収入が減ってしまいます。どちらを選ぶかはその人次第となりますが、手取り額が減った分をこれからどう調整していくのか考えておく必要がありそうです。

まとめ

これまで、パート主婦は「130万円の壁」を意識してきましたが、これから徐々に、「106万円の壁」を気にすることになりそうです。

その際の対応をどうするかについて、メリット、デメリットを理解し、自分なりに納得のいく選択をしましょう。

参考資料

舟本 美子