4. 老後のことは「年金」以外にも考えておきたい

繰下げ受給についてまとめてきました。

年金を増額することにメリットはあるものの、「75歳まで働き続ける」にはさまざまな制約があります。

健康面や家族の介護状態などにより、必ず希望通りにいくとは限らないでしょう。

老後の備えでは、年金受給額だけでなく「貯蓄」という視点も必要となります。

例えば一時期話題になった「老後2000万円問題」では、年金以外に2000万円の貯蓄があると発表されました。

しかしこちらの報告では住居費用が1万円台で想定されています。もし老後も賃貸住まいを続けるのであれば、単純に家賃を上乗せして準備することが必要になるでしょう。

つまり、大事なのは個別のシミュレーションです。いくら必要になるのかについて、一度じっくり考えておきたいですね。

5. まとめにかえて

年金保険料は毎月支払っているものの、残念ながら「年金だけで生活できる」とは言えません。

老後の備えを考えるのであれば、「年金受給額をあげる」「老後資金を作る」という2つの視点が必要になるでしょう。

老後まで数十年ある現役世代では、資金を作る時間的猶予があります。貯蓄はかけられる時間が長いほど有利になるので、少しずつ準備を始めていきましょう。

参考資料

太田 彩子