4. 保険料の支払いが困難なら手続きを!
国民年金への加入は法律で義務付けられているため、年金保険料を納付しない年金未納者は厳しく徴収されてしまいます。
しかし、収入が少ない、病気になって働けないなど一定の要件を満たす人には「納付猶予」や「免除」などの救済措置が用意されています。
全額免除と認定される場合もあるので、市町村の役所や年金事務所で相談をしましょう。
正当な手続きにより免除や猶予が承認された期間については、年金の受給資格期間に参入されます。
年金額を増やすには追納する必要がありますが、年金の受給資格がもらえる点では必ず利用したい制度です。
5. まとめにかえて
日本の年金制度は「現役時代がそのときのシニアを支える」という世代間扶養制度です。破綻することはないので、「どうせもらえないから」と未納にするのは避けましょう。
厚生労働省の「国民年金被保険者実態調査」によると、未納にする理由の多くは「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」です。
しかし「年金制度の将来が不安・信用できない」「納める保険料に比べて、十分な年金額が受け取れないと思う」という回答も多く、「あえて未納にしている」人もいることがわかっています。
未納のリスクをしっかり把握し、確実に納付しましょう。
参考資料
太田 彩子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)