【生命保険料控除】旧契約と新契約が混在している場合の計算方法

加入している契約がすべて新契約であれば、計算は至ってシンプルです。しかし、旧契約の保険と新契約の保険が混在している場合は、控除額の計算の際に注意が必要です。

旧契約と新契約が混在している場合、「旧契約」のみで控除額がそれぞれ5万円を超える場合は、5万円の控除が適用されます。そのため最高控除額は10万円です。

それ以外のケースだと、「旧契約」の控除額の算式で計算した控除額と、「新契約」の控除額の算式で計算した控除額を合計する必要があります。その額は4万円が限度となり、3つの最高控除額は12万円です。

ただし、一般の生命保険と個人年金保険については計算方法が異なります。以下に具体例を挙げ、詳しく解説します。

現在加入している生命保険

1.終身保険(2005年に契約、年間保険料:8万円)
2.定期保険特約付終身保険(2020年に更新、年間保険料の内訳は終身保険:9万円、定期保険特約部分:10万円、医療特約部分:2万円)
3.がん保険(2010年に契約、年間保険料:4万円)
4.医療保険(2020年に契約、年間保険料1万円)
5.個人年金保険(2005年に契約、年間保険料:7万円)
6.個人年金保険(2020年に契約、年間保険料:7万円)

この中で旧契約に該当するのは1と3そして5の契約です。
それぞれの控除額は以下のとおりです。

  • 一般の生命保険料控除:1と3が該当し、年間に支払う保険料の合計額は12万円となるため、最高控除額の5万円が適用されます。
  • 個人年金保険:5の契約が該当し、年間7万円の保険料を支払っていることから、4万2500円の控除額が適用されます。

新契約に該当するのは2そして4と6の契約です。そしてそれぞれの控除額は以下のとおりです。

  • 一般の生命保険:2が該当しますが、そのうちの一般の生命保険料控除に該当するのは終身保険と特約のうち定期保険部分のみです。そのため年間に支払った保険料は19万円となり、4万円の控除となりますが、旧契約の控除額の方が大きいことから、この場合は旧契約の控除額5万円が適用されます。
  • 介護医療保険:2の医療特約部分と4の契約が該当し、年間で支払う保険料額は3万円ですので2万5000円が控除額となります。
  • 個人年金保険:6の契約が該当します。そして年間に支払う保険料額は7万円ですので3万7500円が控除額となりますが、旧契約のほうが控除額が大きいため、4万2500円が適用されます。

つまり、「一般の生命保険」そして「個人年金保険」において旧契約と新契約が混在する場合、旧契約の年間保険料支払額が6万円を超えている時は旧契約の計算方法が適用される点に注意が必要です。

今回のケースであれば、最終的な控除額は以下のとおりです。

最終的な控除額:11万7500円

  • 一般の生命保険:5万円(旧契約が適用)
  • 個人年金保険:4万2500円(旧契約が適用)
  • 介護医療保険:2万5000円(新契約が適用)