「年金不安」や「老後2000万円問題」など将来が不安になる報道もある中、コロナ禍で今の収入に影響が出た方たちもいます。
現状の生活が苦しいとき、優先順位を下げたくなるのが「国民年金の支払い」かもしれません。
今回は、厚生労働省「平成 29 年国民年金被保険者実態調査」から年金保険料を未納にする人の割合や、その理由をさぐります。
リスクのある「年金保険料の未納」を避けるために、利用できる救済措置についても確認しましょう。
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国民年金を「未納」にする人の実態とは
国民年金とは日本の公的年金制度の1階に位置する年金で、日本に住む20~60歳未満のすべての人が加入します。
国民年金に加入する人は、さらに3つの区分に分けることができます。
- 第1号被保険者:自営業や無職、学生など
- 第2号被保険者:会社員公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される専業主婦など
このうち未納のリスクがあるのは、能動的に保険料を納める必要のある第1号被保険者です。
厚生労働省の「国民年金被保険者実態調査」では、2017年3月末現在における国民年金第1号被保険者1575万4000人のうち、以下の者を除く被保険者及びその属する世帯1367万 1000人に調査を行いました。
- ア 任意加入被保険者
- イ 外国人
- ウ 法定免除者
- エ 転出による住所不明者
- オ 25 歳以上の学生納付特例者
- カ 東日本大震災を踏まえた、調査開始時点における福島県の避難指示区域を有する市町村
(飯舘村、葛尾村、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町及び南相馬市)
調査によると、納付の状況は次の結果となりました。
- 納付者: 650万4000人(総数の47.6%)
- うち完納者:508万3000人(総数の37.2%)
- うち一部納付者:142万1000人(総数の10.4%)
- 1号期間滞納者:264万8000人(総数の19.4%)
- 申請全額免除者:220万8000人(総数の16.2%)
- 学生納付特例者:179万2000人(総数の13.1%)
- 納付猶予者:52 万人(総数の3.8%)
前回の調査に比べると1 号期間滞納者の割合は 3.7%減少しており、納付状況は改善している状況がわかります。